家計支出から食生活が見える 〜地域別・家計支出の上位品目〜 (順位の表示のないものは消費額1位)
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付加コメント@〜E
各都市の食の特徴は表に記載した通りであり、それぞれ特色があり興味深い。各地の食べものについては、「県別に見る全国のご当地グルメ」というホームページが参考になるので参照されたい。 各都市でどんな食品がトップかという点に加え、都市によってトップ食品が多い場合もあれば、少ない場合もある点にも関心が向く。トップ食品が多い都市は、それだけ、特徴的な食文化を有しているといえよう。そうした都市としては、次の6都市が目立っている。すなわち、北から、青森市、富山市、金沢市、京都市、鳥取市、那覇市である。反対にトップ品目が少ない都市は全国平均的な食文化を有するともいえる。 食文化が特徴的である程度を確かめるため、以下に2013〜15年平均として総務省統計局が算出した個別食品203品目(金額)、124品目(数量)(生鮮魚介といった統合品目を除く)についての県庁所在市・政令市のランキングから、消費金額・数量がトップの品目数が多い地域を図示した(全都市のトップ品目数も表で掲げた)。 購入金額では上記の都市以外に東京都区部が目立っている。購入数量では上記の都市以外に新潟市が目立っている。表を見ると明らかであるが東京都区部と京都市では金額ベースではトップ食品が多いのに数量ベースでは目立って少なくなる。これは両地域の物価水準の高さや高級食品志向が要因と思われる。東京都区部、京都市を除くトップ品目が多い特定食品偏愛地域は、縄文文化が根強いエリアとダブっており(図録7720参照)、塩分の多い食品の消費が多い地域やカレールウの消費が多い地域と分布状況が似ている(図録7758、図録7745参照)。なお、逆に金額や数量でトップ品目が少ない都市を下表でチェックしてみると、仙台市、千葉市、津市、大津市、大阪市、松山市、熊本市などが該当する。 さらにトップ消費品目数を50年前と比較した表を最後に掲げた。これを見ると、かつて、東京都区部や横浜市、札幌市、大阪市の品目数の多さが目立っていたのが、現在では、余り目立たなくなったという変化が生じている。首都や大都市が全国の消費をリードしていた状況が今はかなり薄まったといえよう。一方、4品目以上トップ消費品目数が増えた都市を挙げると、盛岡市、宇都宮市、富山市、福井市、静岡市、京都市、鳥取市、高知市となっており、特色ある食文化を有する地域が全国に広がったといってよかろう。特に、品目増加が目立っているのは、京都市の10品目増、鳥取市の9品目増である。 トップ消費食品数
50年前のトップ消費品目数との比較(金額ベース)
(2016年3月28日収録、3月29日情報追加、3月31日バター追加、4月7日2位を1割以上超過している品目としてやきとり、ワカメ、ちくわ、乳飲料を追加、4月8日東京都区部3品目追加、トップ品目数データの図表追加、4月13日トップ品目が少ない都市名追加、4月24日付加コメントEF、4月25日@石毛説、追加コメントG、5月17日追加コメントH、6月22日50年前のトップ消費品目数との比較表、8月7日付加コメントI追加、2019年2月19日付加コメントJ追加、2022年7月7日福井の油揚げBコメント追加)
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