留学生の人数のランキングは図録6138にかかげたが、各国出身留学生の留学先については、主要国について以下のような図録を作成した。

図録8022 (当図録)中国、インド、韓国、日本
図録8910 西欧(ドイツ、フランス、イタリア、スペイン)
図録8818 米英・英語圏(米国、英国、カナダ、オーストラリア)
図録8024 アジア(マレーシア、ベトナム、インドネシア、タイ、香港、フィリピン、バングラデシュ、パキスタン)
図録9422 アフリカ(モロッコ、アルジェリア、ナイジェリア、コンゴ民主共和国)
図録9260 中近東(トルコ、イラン、サウジアラビア、シリア)
図録9320 北アフリカ(エジプト、リビア、チュニジア)
図録8977 ロシア・東欧(ロシア、ポーランド、スロバキア、ウクライナ)
図録8822 ラテンアメリカ(メキシコ、ブラジル、ペルー、アルゼンチン)

 各国の留学生達の留学先は、母国と留学先国とのつながりの深さを示すとともに、これからの双方の国の相互関係の将来をうかがわせるものとして重要である。

 アジア諸国からの留学先1位〜2位は国によって下表のようになっている。

 目立つのはオーストラリアへの留学生の多さである。図に掲げた8カ国中、マレーシア、インドネシア、香港、バングラデシュでは第1位の留学先、タイとフィリピンでは第2位の留学先となっている。

 米国へはタイからの留学生の1位留学先となっているなど一般的に人気が高い。

 この他、旧宗主国への留学が多いのも特徴となっている。例えば、マレーシアは英国への留学が多く、ベトナムではフランスへの留学が多く、フィリピンでは米国への留学が多い。

 インドネシアの旧宗主国はオランダであるが、インドネシアからオランダへの留学は、中国を除くアジアの他の国からよりは多いが、それほど多いとは言えない(最もオランダへの留学生は近隣のドイツ、ベルギーや一般的に留学生の多い中国からの留学生を除くとインドネシアからの留学生が最も多いのも確かである)。

 日本への留学生はマレーシアやベトナムからが2千人以上で多いが、パキスタンやフィリピンからは千人以下と少ない。

 なお、韓国へのベトナム人の留学が多いのも目立っている。韓国への留学は中国人が群を抜いて多いが、ベトナム人は第2位であり、第3位の日本人を上回っているのである。ベトナム戦争に韓国が参戦したことがかえって両国の関係を深めたのではなかろうか。

アジア諸国の旧宗主国と留学先
  旧宗主国 留学先1位 留学先2位 日本への
留学人数
マレーシア 英国 オーストラリア 英国 2,052
ベトナム フランス 米国 フランス 2,087
インドネシア オランダ オーストラリア 米国 1,541
タイ なし 米国 オーストラリア 1,722
香港 英国 オーストラリア 英国 不詳
フィリピン 米国 米国 オーストラリア 575
バングラデシュ 英国 オーストラリア 英国 1,431
パキスタン 英国 英国 米国 136

(2009年10月19日収録)


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