各国の留学生達の留学先は、母国と留学先国とのつながりの深さを示すとともに、これからの双方の国の相互関係の将来をうかがわせるものとして重要である。 アジア諸国からの留学先1位〜2位は国によって下表のようになっている。 目立つのはオーストラリアへの留学生の多さである。図に掲げた8カ国中、マレーシア、インドネシア、香港、バングラデシュでは第1位の留学先、タイとフィリピンでは第2位の留学先となっている。 米国へはタイからの留学生の1位留学先となっているなど一般的に人気が高い。 この他、旧宗主国への留学が多いのも特徴となっている。例えば、マレーシアは英国への留学が多く、ベトナムではフランスへの留学が多く、フィリピンでは米国への留学が多い。 インドネシアの旧宗主国はオランダであるが、インドネシアからオランダへの留学は、中国を除くアジアの他の国からよりは多いが、それほど多いとは言えない(最もオランダへの留学生は近隣のドイツ、ベルギーや一般的に留学生の多い中国からの留学生を除くとインドネシアからの留学生が最も多いのも確かである)。 日本への留学生はマレーシアやベトナムからが2千人以上で多いが、パキスタンやフィリピンからは千人以下と少ない。 なお、韓国へのベトナム人の留学が多いのも目立っている。韓国への留学は中国人が群を抜いて多いが、ベトナム人は第2位であり、第3位の日本人を上回っているのである。ベトナム戦争に韓国が参戦したことがかえって両国の関係を深めたのではなかろうか。
(2009年10月19日収録)
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