我々が食べる炭水化物の三大食品は米とパンと麺である。家計調査のデータから好きな炭水化物食品の地域分布を探ってみよう。同じデータによる好きな魚の地域分布は図録7712

 家計調査の年間支出金額の上位15位までの県庁所在市のランキングから、それぞれの県庁所在市で県が代表されると仮定して、それぞれの食品を好んでいる地域を色分けした。複数の食品で上位15位に入る場合は、金額の多さではなくランキングの高さで各県民が好きな炭水化物食品を特定した。

 描いた統計地図を見ると、東日本では「米」と「麺類」、西日本では「パン」を好んでいるという大きな地域分布が明確である。東日本の西端は福井、岐阜、愛知のラインである。

 もっとも、飛び地がある。金沢市が県庁所在市の石川、及び関東の東京と千葉は東日本にもかかわらず西日本と同じ「パン」に区分される。また、長崎と沖縄は西日本であるのに「米」に区分される。

 また、香川と鳥取は西日本だが「麺類」に区分されている。「麺類」は内訳がうどん、そば、スパゲッティ、中華麺、即席麺と多様なので、個別品目別の上位5位までのランキングを付した。うどん県の香川は生と乾の両方の「うどん・そば」でトップであるのがきいている。また鳥取は「カップ麺」、「即席麺」で上位であるのがきいている(鳥取のちょっと変わった食嗜好については図録7724参照)。

 東日本の中の「米」と「麺類」の区分については、コメどころとされる東北諸県では実は予想に反して「麺類」がトップになっている。「麺類」の内訳ランキングを見ると、東北の中でも青森、岩手は「中華麺」や「カップ麺」、山形、秋田は「うどん・そば」を特に好んでいることが分かる。東北の麺好きについては図録7727(県庁所在市の中華麺、スパゲッティ消費)も参照。

 結果として、米好きの地域はかたまりとしては中央日本のみというかたちになっている。「パン」も「麺類」も基本的に小麦食品なので、米食品は東西から小麦食品に圧倒され劣勢に立っている見なせるだろう。しかも、米好きの中央日本のなかでもその真ん中の長野はそば処としての特徴からむしろ「麺類」に色分けされてしまっている。

 なお、西日本各県の中には、上位15位までのランキングによる区分では、いずれの炭水化物食品にも区分されない地域も多い。いずれにも偏らないか、あるいはいずれもあまり多く消費していない「非炭水化物エリア」とでも呼ぶべき地域だと理解されよう。

 関連図録としては、食の東西構造については図録7722、パン食と米食の地域分布については図録0329、図録7725、図録7726などを参照。

 もうひとつの炭水化物食品にお好み焼きやたこ焼きといった小麦粉を溶いたものを鉄板で焼く食べものがある。こうした鉄板コナモンが好きかどうかの地域分布を下図に掲げた。ここでも西と東の対照的な食嗜好がうかがわれる。すなわち、お好み焼きの類は圧倒的に西日本、特に関西で好まれていることが分かる。


(2020年1月2日収録、1月4日鉄板コナモン)


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