中国の北京第24回冬季オリンピックが2022年2月4日から20日までの日程で開催された。日本のメダル数は金3つ、総数18個となり、総数では前回を5個上回る過去最多の更新となった。予想以上の健闘といってよかろう。 北京冬季五輪の各国メダル数は図録3987s参照。 米データ会社『Gracenote』が予想が予想したメダル数ランキングによると、単独トップに立ったのは、45個のメダルを獲得すると予想されたノルウェー。それに32個のROC(ロシア五輪委員会)、25個のドイツ、22個の米国、カナダが続き、気になる日本は17個の11位。開催国の中国は11個の13位に入っているという。日本のメダル数の内訳は金4、銀4、銅9であり、男子ハーフパイプの好調を予想している(The Digest、2022.2.2)。 韓国の平昌(ピョンチャン)第23回冬季オリンピックは2018年2月9日から25日まで開催されている。ピョンチャン五輪の各国メダル数の現状は図録3987l参照。 これまでの冬季オリンピックの各大会における日本のメダル獲得数は図の通りである。 日本は第2回大会から参加したが、第7回大会までメダルを獲得できなかった。飛躍的にメダル数が伸びたのは、16回アルベールビル大会の7個であった。トリノ大会では、メダルは1個にとどまったが、フィギュアスケート女子シングルで荒川静香選手が日本人で初、欧米以外で初の金メダルを獲得した(図録3989参照)。バンクーバー大会ではメダル総数は5個と回復したが、金メダルは0個とさびしい結果に終わった。ソチ大会ではメダル総数は長野に次ぐ8個、また金も1個となっている。 ソチでは、海外五輪過去最多で、1998年長野五輪に次ぐ好成績という評価が大勢となっているが、メダル数の多さは冬季五輪大会の競技種目数が増えている影響が大きいのであって、メダル数国別順位では17位とバンクーバー大会の16位を下回っている(図録3987n、図録3987p参照)。 日本オリンピック委員会(JOC)が掲げるピョンチャン(平昌)でのメダル目標は「複数の金を含む9個以上のメダル獲得」であるが、ほぼ、目標を達成し、メダル数過去最多となっている。 メダルの重みを加味した結果を見るため、以下には各大会の日本の獲得メダル数の対全体シェアを掲げた。 ソチ大会は2.72%とメダル数5個のバンクーバー大会よりは上回ったが、同数5個のリレハンメル大会、あるいはメダル3個の札幌をも下回っている。しかも8個のうち半数に当たる4個は、IOCが五輪大会の放送権料収入の維持拡大のため若者受けするように新たに導入したスノーボードやフリースタイルスキーといった新種目だったので(図録3982参照)、なおさら、ソチ大会の結果を海外五輪最多と喜んではいられなかったろう。 ピョンチャン大会は4.25%と前回ソチ大会を越えている。もっとも長野大会にはなお及んでいない。 北京大会はメダル数そのものだけでなく、対全体シェアでも5.50%と過去最高となった。
男女別のメダル数について過去4大会を振り返ると以下の通りであり、ピョンチャン大会での女子選手の活躍がとりわけ目立っている。夏季オリンピックでの女子選手優位の傾向が冬季にも及んできたということであろう(図録3980参照)。
現在までの冬季五輪における日本の種目別累積メダル数、及び日本人の目立った活躍を図表にすると次の通りである。 競技種目別ではスピードスケートのメダル数が最も多く、ジャンプがこれに次いでいる。カーリング、アルペン、フリースタイルではまだ金メダルはない。 アイスホッケー、ボブスレー、リュージュ、スケルトン、クロスカントリースキー、バイアスロンといった競技でのメダルはまだゼロである。 なお、これまでの冬季五輪の国別メダル獲得数推移は図録3986参照、国別累積メダル獲得数は図録3988参照。フィギュアスケート日本男子の大会最高成績推移は図録3989q参照、同女子は図録3989参照。
冬季五輪の開催地は、第1回から順に、シャモニー・モンブラン(フランス)、サンモリッツ(スイス)、レークプラシッド(米国)、ガルミッシュ・パルテンキルヘン(ドイツ)、サンモリッツ(スイス)、オスロ(ノルウェイ)、コンティナダンペッツォ(イタリア)、スコーバレー(米国)、インスブルック(オーストリア)、グルノーブル(フランス)、札幌(日本)、インスブルック(オーストリア)、レークプラシッド(米国)、サラエボ(ユーゴスラビア)、カルガリー(カナダ)、アルベールビル(フランス)、リレハンメル(ノルウェイ)、長野(日本)、ソルトレークシティ(米国)、トリノ(イタリア)、バンクーバー(カナダ)、ソチ(ロシア)、ピョンチャン(韓国)、北京(中国)である。 (2006年1月24日収録、2月26日・3月2日更新、2010年3月2日更新、2014年2月8日種目別メダル数追加、2月10日コメント改変、2/12・2/15・2/16・2/18・2/19・2/20・2/22・2/23更新、2/24・26コメント改変、2018年2月11日コメント冒頭のみ変更、2/12・2/14・2/17・2/18・2/21・2/24・2/25更新、2022年2月2日北京メダル数予想、その後適宜更新、2月15日・17日・18日・20日メダル選手一覧、3月19日冬季パラリンピックの日本メダル数推移)
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