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最新の2017年期のデータでは、男女差が2010年期より全体的に縮まっている。 男女差の推移(日本と世界各国)については図録2472参照。 (2010年期データのコメント) これまでに、世界各国の幸福度については、国際共同調査である世界価値観調査によって、幸福度の国際比較(図録9480)、豊かさと幸福度の関係(図録9482)を調べた。ここでは、同調査の結果から、男女の幸福度とその相対関係を国際比較した。 すでに日本人の幸福度と関連する男女比較については、図録2470(楽しい時間の比較)や図録2475(生まれ変わりたい性別)で見てきたところであり、どうやら女性の方が男性より幸福を感じているらしいことが分かった。そこで、ここでは、そうした状況が世界の中で、どのような位置を占めているのかを確かめようという訳である。 ヨコ軸に男性の幸福度(「非常に幸せ」と「やや幸せ」の割合)、タテ軸に女性の幸福度をとった相関図を描いた。右上の国ほど男女の幸福度が大きいことを示している。ピンクの補助線は45度線であり、この線より上であれば、女性の幸福度が男性の幸福度を上回っていることを示している。 全体の分布はほぼ右上がりの正の相関を示していおり、男が幸せであれば、女も幸せ、逆なら逆という状況がうかがえる。それこそ男女は運命共同体なので、基本的には、どちらか一方だけが幸福になったり不幸になったりするものでもない、ということが分かる。 45度線より上の女性の幸福度の方が大きい国は、58カ国中28カ国、逆に男性の幸福度の方が大きい国は、30カ国となっており、男性の幸福度の方が女性の幸福度をやや上回る傾向にある。 日本は、幸福度の水準は、58カ国中27位とそれほど高くはないが、男女比較では、女性の幸福度の方が男性の幸福度を上回っている。図録2470(楽しい時間の比較)や図録2475(生まれ変わりたい性別)で見た男女比較と整合的な結果となっている。 相関図の下には、女性の幸福度が男性の幸福度のどれだけ上回っているかを計算した結果を図示した。日本はこの値が8.1%ポイントであり、世界トップである(女性超過度の推移は図録2472参照)。 女性の幸福度が相対的に高い国は所得水準の高低で2グループに分けることが可能である。
東アジア諸国はかつての儒教国としての性格を共有し、欧米諸国と比較すると家庭や社会の中での女性の地位が低いと考えられているが、高所得国では、幸福度にそれが反映しているわけではなさそうである。むしろ、男性の権利ばかりでなく責任も強い過去の伝統に引きずられて男性の方が幸福度を感じにくくなっているのではと想像される。 低所得グループは、国内に問題を抱える国が多い。こうした国では、女性が幸福というよりは男性が不幸に陥りやすいのではと想像される。 女性の幸福度が男性より低いことで目立っているのは、ベラルーシ、ウクライナ、ロシアといった旧ソ連諸国やチリ、ウルグアイといった南米諸国、先進国ではイタリアである。 過去のこれまでの諸調査における幸福度の男女差の結果については、図録2472に掲載したので参照されたい。この図録の結果と同じ傾向があらわれている。最新の調査による幸福度の男女差の結果については、図録9488参照。 男女の幸福度格差と実際の男女不平等度との相関については図録9486参照。 (2011年1月28日収録、11月8日ISSP調査2008年追加、2014年5月7日更新、過去実績は図録2472に移管、5月10日欧州価値観調査6カ国追加、2021年2月24日2017年期データ追加)
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