自転車は、地域によって、かなり普及率が異なっている。地形条件、電車通勤とのリンク、マイカーの普及度などが影響していると思われる。 最も普及度が高い地域は埼玉の76.9台/100人であり、大阪の75.1台/100人ほか、東京、京都、千葉がこれに続いて普及率が高くなっている。大都市圏で普及率が高くなっているといえよう。埼玉の普及率の高さはやはり平坦地が多いことが影響していると考えられる。 最も普及度が低いのは沖縄の16.5台/100人であり、長崎、宮城、福岡、長野がこれに続いている。鉄道のない沖縄、坂が多く、島しょ部も多い長崎、山がちの長野といった地域性が自転車普及率の低さに反映していると思われる。 長崎市は坂があまりにも多いので自転車に乗れない人が多いという。そのためか自転車の盗難数も最下位クラス(「47都道府県話のネタ大事典」KAWADE夢文庫、2020年)。 普及率最高の埼玉と最低の沖縄では、4.7倍の開きがある。この開きは、バイクの地域差よりは小さいが、マイカーの地域差よりは大きい(バイクの地域差は図録7664、マイカーの地域差は、図録7662参照)。 なお、参考のために、以下に内閣府世論調査の結果から、地域別自転車保有率のデータを掲げる。サンプル数の関係から地域ブロック毎の集計しかないが、都市規模別の集計がある点、自動車と自転車をともに保有しているかどうかが分かる点が上のデータより優れている。 世論調査結果では全体の保有率が67.5%とメイン図録の普及台数54.4台/百人より高いレベルである。前者は個人の回答結果であり世帯で1台保有していればカウントされる可能性が高い点、また後者が2人以上の世帯の保有台数をもとにしている点が理由だと考えられる。
都市規模別には、大都市ほど自転車保有率が高い傾向が明瞭である。全国的には自家用車との同時保有が自転車のみ保有の4倍近くとなっているのに対し、東京都区部では、自転車のみを保有している者が自家用車と一緒に保有している者を上回っている点が目立っている。 地域ブロック別では、保有率の高い順に近畿、四国、関東となっている。最も低いブロックは九州である。メイン図録ともほぼパラレルな結果となっている。別々のソースから同様の結果が得られるとそれぞれのデータの信憑性が増す。これをロバストなデータと呼ぶ。自転車保有率が中国ブロックで低く四国ブロックで高いのは何故であろう。 乗用車、バイク、自転車の普及率は以下の図録に掲げているので参照されたい。 (2007年10月17日収録、2009年12月3日更新、世論調査結果を付加、2021年8月11日長崎市)
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