全国的には、1世帯当たりのマイカー所有台数は1.38台であり、うち軽自動車以外のマイカーが0.89台、軽自動車が0.49台となっている。一家にマイカー2台はめずらしくない状況になっていることがうかがわれる。 最も普及台数の多い地域は、山形の2.11台であり、福井の2.10台、富山の2.06台がこれに続いている。 最も普及台数の少ない地域は、東京の0.67台であり、大阪の0.84台が続いている。大都市の都心部では渋滞や駐車場の確保難、公共交通の発達などでマイカー普及台数は少なくなっていることがうかがわれる。3大都市圏の名古屋を抱える愛知では、1.57台とそれほど少なくないのは、やはり日本の自動車生産のメッカとなっている点が影響していると考えられる。 普及台数最高の山形と最低の東京では3.1倍の開きと自転車の地域差(図録7665)やオートバイの地域差(図録7664)と比較してずっと小さい。都心部のシェアが大きい東京、神奈川、大阪、京都を除くと最低は兵庫であるが、兵庫と最高の山形を比べると1.9倍と2倍以下となり、乗用車の普及台数のばらつきはさらに小さいことが分かる。国際比較でも乗用車という乗り物は生活必需品的な性格が強い存在だということが分るが、同じことが都道府県比較からもうかがわれるといえよう(国際比較については図録6375参照)。 マイカーのうち軽自動車は35.4%に達している。軽の比率が高い県は、沖縄56.6%、長崎51.9%、高知49.4%、鹿児島48.4%であり、軽自動車しか通れない狭い道路が多い海がちの漁村を多く抱える地域性が影響していると考えられる。概して、海岸線の長い西日本で軽の比率が高い傾向がある(図録7232参照)。なお、前々回調査の2004年には軽自動車比率は全国で26.9%だったので、軽の比率が上昇していることが分かる。 東京、大阪、愛知といった大都市圏では、軽の比率は低くなっている。こうした地域ではマイカー台数自体が少ないため1台は軽以外、2台目は軽という地方圏の状況が当てはまらないためだと考えられる。また道路や駐車場の条件や平均走行距離はむしろ軽自動車に向いていることから考えると実用上の問題以外の要因も働いているとも考えられる。すなわち、こうした地域ではマイカーが実用品としての他、奢侈品としての性格をもっていることが影響していると考えられる。マイカーの外車比率はこうした地域ではやはり高い(図録7663参照)。 下には、軽自動車の普及率と女性の有業率の相関図を掲げた。女性有業率の高い地域ほど軽自動車の普及率が高いことがうかがわれる。佐賀、鳥取、長野では軽の普及率が65%以上と高いが女性有業率の高い地域と重なっている。「「通勤には車が必要。主人は大きな車だから、私が乗る2台目は維持費の安い軽です」。鳥取ダイハツ米子店に来店していた女性客(42)はこう話す鳥取では女性就業率の高さに加え、公共交通機関が十分でないことも軽の普及につながっているという」(日経産業新聞2013.11.29)。 乗用車、バイク、自転車の普及率は以下の図録に掲げているので参照されたい。 (2007年10月29日収録、2014年12月12日更新、2015年2月25日自転車やバイクとの比較についてのコメント追加、2018年4月16日更新、軽自動車普及率と女性有業率の相関図)
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