バイクは自転車以上に地域ごとの普及台数のばらつきが大きい。100人当たりの台数が最高の和歌山の36.5台と最低の福井の5.2台とで7.0倍もの開きがある。上から2位は愛媛、3位は奈良である。また、下から2位は北海道、3位は岐阜である。乗用車の場合は、大都市部を除いて、普及台数のばらつきが余り大きくなく、必需品的性格が強いのとは対照的である。 普及台数の高低を説明する要因がつかみにくいのがバイクの特徴である。東京が低く神奈川が高いということから所得水準や都市化の程度では説明しにくいことが分かる。山梨が高く、長野が低いことから地形でも説明しにくい。自転車の普及率が地形が平坦な埼玉県で日本一であるので地形要因が大きいと判断できるのとは異なっているのである。要因としては、
むしろ、単純に、和歌山県民や愛媛県民はもともとバイク好きと理解するのが正解なのかも知れない。これは、国際比較で、何故かは分からないが台湾人が世界一オートバイ好きなのと似たようなところがありそうである(図録6376参照)。国民性や県民性、あるいは地域にバイクが普及した偶然の経緯が影響する嗜好品的な性格が強い乗り物なのだろう。下表に、自転車、バイク、乗用車という3種類のパーソナルな乗り物について、地域分布から見た特性を整理した表を掲げた。
なお、バイクの普及率は低下傾向にある(図録6380)。図録には前回調査の2004年データを点グラフで示したが、ほとんどの都道府県で普及台数は減っている。3位までの順位では、1位と3位は変更なしであるが、2位が京都から愛媛に変わったことが分る。 乗用車、バイク、自転車の普及率は以下の図録に掲げているので参照されたい。
この記事を参照した「和歌山がバイク普及率全国一、理由は道路事情だけじゃない」と題された産経新聞地方版記事はここ。 (2015年2月25日収録、8月1日更新)
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