まず、目立っているのは、先進国においては、乗用車普及率のレベルには、それほど、差がないという点である。先進国の中では最大はイタリアが61.1台であり、最小は、意外なことに、米国の40.9台(後述)である。しかし、ほとんどは、45〜55台の範囲に収まっている。 これに対し、最近、OECDに加盟して先進国の仲間入りした韓国や体制移行国のロシアが20台台となお低い水準であるほか、アジア新興国や途上国ではそれ以下の水準であり、先進国以外では、乗用車普及率の差がかなり大きい。 また、オートバイ普及台数(図録6376)、自転車普及台数(図録6371)では、先進国の最大最小国の間で、オートバイでは5.5倍、自転車では2.8倍と大きな差があるのと対照的である。 こうした特徴から、乗用車というものは、先進国においては、生活必需品としての性格が強い存在になっているということができよう。 米国の乗用車普及率が低いのは、米国ではバス・トラックの保有台数が乗用車と同じぐらいの水準であり、他の先進国が何分の1かの水準であるのと比較して格段に多いところを見ると、乗用車として使用されるトラック(税金や保険料の面で優遇されているピックアップトラック、SUV等小型トラック)の台数が多いためと見られる。ピックアップトラックとSUVを加えた乗用車普及率を求めてみると、59.6台となり、間違いなく世界一クラスのクルマ大国となる。 タイ、インドネシア、中国、インドなどアジア新興国では、なお乗用車普及率が10台以下と低い。人口規模が大きいだけに、アジア新興国の市場の今後の伸びが期待されているゆえんであろう。 乗用車、バイク、自転車の普及率は以下の図録に掲げているので参照されたい。 次に、乗用車普及率とクルマ関連犯罪(自動車泥棒、車上荒らし)の被害率との相関を見た図を以下に掲げた。オートバイや自転車と異なり、相関度は低いように見える。オートバイや自転車と異なり、自動車の場合は、そこにあるから盗むというものではないようだ。ただし、英国が保有率の割に犯罪が多い傾向はオートバイと共通であり、メキシコが保有率の割に犯罪が多い傾向は自転車と共通である(オートバイについては図録6376、自転車については図録6371参照)。 乗用車普及台数の国際比較(2011年)
(資料)日本自動車工業会HP(2013.9.3 クルマと世界 > 世界生産・販売・保有・輸出) (2013年9月4日収録)
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