2023年京大合格者数の高校ランキングを掲げた。



 我が国の大学ランクとしては東京大学(東大)に次いで京都大学(京大)が高い地位を有している。国家公務員総合職試験の合格者数でも東大に次いで京大が多くなっている(図録3866)。また、特に文科系の学問分野では東の東大に対して西の京大は我が国の2大権威となっている場合が多い。

 東大入試の高校別合格者数ランキングは図録3858に掲げており、関心をもってアクセスする人も多いので、ここでは、京大入試の合格者数高校ランキングを示した。以前のデータは右欄のリンクからアクセスが可能である。東大・京大以外の主要国立大合格者ランキングは図録3860c、早稲田大・慶応大の合格者ランキングは図録3860e参照。大企業トップの出身高校ランキングは図録3861参照。

 上位5位の高校は、大阪の北野高校、京都の洛南高校、奈良の東大寺学園高校、京都の堀川高校、大阪の大阪星光学院となっており、いずれも関西の高校である。

 京大合格者数高校ランキングは、東大合格者数高校ランキング(図録3858)と比較すると、以下の点が目立っている。

@上位校への集中度が東大に比べ京大は低い。

 合格者総数はそれほど違いがないが、合格者数トップの高校は東大の開成が148人に対して、京大の北野が81人とかなり少ない。また、東大の場合、8位までが70人以上であるのと比較しても京大の上位校の合格者数は少ない。

A私立高校の割合が東大と比較して低い。

B全国の高校が含まれる東大に対して、西日本、特に近畿圏の高校が多い。

 東大の上位合格高校には、兵庫の灘を筆頭に、奈良の西大和学園、福岡の久留米大付設、鹿児島のラ・サールなど、全国の高校が含まれているのに対して、京大の上位合格高校には、近畿圏以外の高校は少なく、関東以東では、比較的下位に東京の西、北海道の札幌南が顔を出しているだけである。

 なお、京大だけでなく、北海道大には北海道の公立高校、九州大には福岡や九州の公立高校、広島大には広島県の公立高校の合格者数が多いなど、地元出身者が多いのが普通であり、東大がむしろ異例なのだといえる(東大、京大以外の主要国立大の合格者数高校ランキングは図録3860c参照)。

 京大と東大のどちらにも合格者数が多い高校を以下に掲げた。リストアップされた13校は、北海道、東京の2校を除いて、いずれも、中部以西の高校であった。


 愛知の3高は、京大と東大の合格者数が同等に近く、東西の拠点を両睨みした中部地方の立地特性をうかがわせて興味深い。

 関西の6校のうち、灘、西大和学園は東大の方が多く、それ以外は京大の方が多い。こうした高校は、東大を射程に入れた高い学力を有するが地元志向も高いという地域性格をうかがわせている。東大と京大の合格者数を合計したランキングでは、こうした高校は全国でも非常に高い地位を占めることになる。

 なお、京大合格者数が1位である大阪の北野高校は、東大合格者数の方は10人と少なく、特に京大に傾斜した進学志向を有する点で、京大合格者数11位の西大和学園などと異なっている。

 少し前まで、県立浦和高校は東大、京大だけでなく、全国の有名大学に多くの合格者を出している点で目立っていた。こんな高校は珍しい。浦和高校の全国の主要大への合格者数を都立日比谷と比較した図録3861a参照。

 図で掲げた高校名を列挙すると、北野(大阪)、洛南(京都)、東大寺学園(奈良)、堀川(京都)、大阪星光学院(大阪)、天王寺(大阪)、甲陽学院(兵庫)、膳所(滋賀)、灘(兵庫)、西京(京都)、旭丘(愛知)、洛星(京都)、西大和学園(奈良)、岡崎(愛知)、明和(愛知)、清風南海(大阪)、神戸(兵庫)、金沢泉丘(石川)、洛北(京都)、茨木(大阪)、高槻(大阪)、長田(兵庫)、大阪桐蔭(大阪)、姫路西(兵庫)、東海(愛知)、六甲学院(兵庫)、一宮(愛知)、嵯峨野(京都)、三国丘(大阪)、須磨学園(京都)、奈良(奈良)、修猷館(福岡)、札幌南(北海道)、大阪教大付池田(大阪)、加古川東(兵庫)、西(東京)、浜松北(静岡)、国立(東京)、岐阜(岐阜)、岡山朝日(岡山)、開明(大阪)、白陵(兵庫)、帝塚山(奈良)、広島大付福山(広島)である。

(2017年7月24日収録、2023年4月1日更新)


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