東大入試の高校別合格者数ランキングは図録3858に掲げており、関心をもってアクセスする人も多いので、ここでは、京大入試の合格者数高校ランキングを示した。以前のデータは右欄のリンクからアクセスが可能である。東大・京大以外の主要国立大合格者ランキングは図録3860c、早稲田大・慶応大の合格者ランキングは図録3860e参照。大企業トップの出身高校ランキングは図録3861参照。 上位5位の高校は、大阪の北野高校、奈良の東大寺学園高校、京都の洛南高校、堀川高校、滋賀の膳所高校となっており、いずれも関西の高校である。 京大合格者数高校ランキングは、東大合格者数高校ランキング(図録3858)と比較すると、以下の点が目立っている。 @上位校への集中度が東大に比べ京大は低い。 合格者総数は東大3,084人に対して京大2,860人とそれほど違いがないが(判明率98〜99%)、合格者数トップの高校は東大の開成が187人に対して、京大の北野が72人と半分以下である。また、東大の場合、4位までが90人以上であるのと比較しても京大の上位校の合格者数は少ない。 A私立高校の割合が東大と比較して低い。 東大合格上位40校のうち国公立が16校と4割であるのに対して、京大合格上位42校のうち公立は27と64%と多数派となっている。 B全国の高校が含まれる東大に対して、西日本、特に近畿圏の高校が多い。 東大の上位合格高校には、兵庫の灘を筆頭に、鹿児島のラ・サール、奈良の西大和学園、福岡の久留米大付設など、全国の高校が含まれているのに対して、京大の上位合格高校には、近畿圏以外の高校は少なく、関東以東では、比較的下位に東京の国立、埼玉の県立浦和が顔を出しているだけである。 なお、京大だけでなく、北海道大には北海道の公立高校、九州大には福岡や九州の公立高校、広島大には広島県の公立高校の合格者数が多いなど、地元出身者が多いのが普通であり、東大がむしろ異例なのだといえる(東大、京大以外の主要国立大の合格者数高校ランキングは図録3860c参照)。 京大と東大のどちらにも合格者数が多い高校を以下に掲げた。リストアップされた13校は、埼玉の県立浦和高校を除いて、いずれも、中部以西の高校であった。 名古屋圏の旭丘、東海、岡崎の3校や石川の金沢泉丘は、京大と東大の合格者数が同等に近く、東西の拠点を両睨みした中部地方の立地特性をうかがわせて興味深い。 関西の5校のうち、灘と西大和学園は東大の方が多く、それ以外は京大の方が多い。こうした高校は、東大を射程に入れた高い学力を有するが地元志向も高いという地域性格をうかがわせている。東大と京大の合格者数を合計したランキングでは、こうした高校は全国でも非常に高い地位を占めることになる。 なお、京大合格者数が1位である大阪の北野高校は、東大合格者数の方は3人と少なく、特に京大に傾斜した進学志向を有する点で、京大合格者数2位の東大寺学園などと異なっている。 一方、関東で唯一京大と東大でともに合格者数が多い埼玉の県立浦和高校は、他の関東の進学校とは異なる全方位型の性格をもつ点で目立った高校である。 県立浦和高校は東大、京大だけでなく、全国の有名大学に多くの合格者を出している。北海道大では道内高校以外で首位の15人(11位)、東北大では東北以外で首位の41人(5位)となっている。この他、一橋大17人(3位)、千葉大15人(23位)と多く、いずれでも地元有力高校に伍する合格者を輩出しているのである。こんな高校は他にない。浦和高校の全国の主要大への合格者数を都立日比谷と比較した図録3861a参照。 図で掲げた高校名を列挙すると、北野、東大寺学園、洛南、堀川、膳所、大阪星光学院、甲陽学院、旭丘、洛星、灘、天王寺、東海、西大和学園、大阪桐蔭、浜松北、奈良、長田、西京、三国丘、岐阜、須磨学園、神戸、白陵、四日市、岡崎、嵯峨野、藤島、一宮、開明、清風南海、国立、大阪教育大附池田、加古川東、浦和・県立、大手前、姫路西、六甲学院、筑紫丘、金沢泉丘、帝塚山、修猷館、熊本である。 (2017年7月24日収録、2018年3月27日更新、2019年3月26日更新)
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