各国の労働力に占める移民(外国生まれ)労働者の比率、及び、自国生まれの労働力に占める海外移民の比率を示した世界マップを世界銀行「世界開発報告2013」から掲げた。

 この図に付けられた報告書のタイトルは「移民が主たる労働力の国は移民受入国にせよ移民送出国にせよそう多くない」だった。日本はさほどでないが、世界では世の中移民だらけという感じをもっている人がいかに多いかを逆にうかがわせるタイトルである。

 受入国の移民労働者比率の高い地域は、北米(メキシコを除く)、欧州(東欧を除く)、オセアニア、中東・北アフリカ、西アフリカである(OECD諸国の移民受入比率は図録1170a、図録1171参照、アジア・太平洋諸国の移民比率は図録8032参照)。

 一方、送出国の海外移民労働者比率の高い地域は、受入国と共通でないのは、ラテンアメリカ、東欧、共通なのは、西アフリカ、中東・北アフリカである(移民送出の結果の出稼ぎ収入が多い国については図録8080、図録8090参照)。

 アジアでは受入国ではマレーシア、送出国ではフィリピン、カンボジアが目立っている(図録8100、図録8150参照)。

 中東・北アフリカでは、トルコを含む中東やチュニジア、モロッコなどで送出が多く、産油国のリビア、サウジアラビアで受入が多いというように、域内でも国ごとの差がある。

 西アフリカでは全体に移民労働力流動が大きいとともに、北部は送出が多く、南部は受入が多いという違いが認められる。

(2014年3月29日収録)


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