県民性をあらわすキーワード表
都道
府県
キーワード
北海道 「リトル東京」(中央への同質化)、「いいんでないかい?」(多様な地域の出身者相互が協力するため普及した口癖)
青森 「じょっぱり」(強情っぱり。津軽人は間違っているとわかっていても強情をはること、南部人は不利でもかたくなに正しいことを押し通すこと、という内容の違いあり)、「ゴンボホル」C(酒に酔ってクダを巻いたり、ダダをこねること)
岩手 「雨ニモマケズ、風ニモマケズ」(宮沢賢治)
宮城 「伊達者」(都会的な仙台人)
秋田 「秋田美人」(色白美人なのはロシアなど大陸系のDNAが混じっているためという説も−ブラタモリ2019.11.16)
山形 「鶴の恩返し」(民話にあらわれた山形女性の気質)、「泥棒も山形では落ち着いて暮らせる」C(人情が深く、人間関係を大切にする県民性をあらわす冗談)
福島 「会津の三泣き」(遠い会津に来て泣き、会津の人情にほだされて泣き、会津を離れるのが寂しくてもう一泣き)
茨城 「水戸の三ぽい」(理屈っぽい、骨っぽい、怒りっぽい)、「茨城の三ぽい」(怒りっぽい、飽きっぽい、忘れっぽい)、「茨城巡査と千葉女中」C(戊辰戦争で官軍に敗れた旧士族は、官界に出れず、巡査になってオイコラと威張った)
栃木 「しもつかれ」@(正月の残り物の新巻さけの頭に節分の残り豆、おろした大根と人参を加え、酒粕でじっくりと煮込んだ質素な食生活を象徴する郷土料理。「下野(しもつけ)ばかり」が語源とも)
群馬 「かかあ天下とからっ風」、「群馬の”せめ”、栃木の”まもり”、茨城の”どっちつかず”」A
埼玉 「ださい」(「だって埼玉」が語源という説も。東京の二番煎じなのでかえって蔑まれる)
千葉 「上総奉公」B(村々の次三男がみな江戸に出て、お屋敷や大店に奉公する体制順応型の気質)
東京 「江戸っ子」(下町のお節介な人情家で金銭に執着せず「宵越しの銭を持たない」)、「東京砂漠」C(東京人の不愛想さ)
神奈川 「ハマっ子」(東京よりあかぬけていることを自慢する横浜の若者)
新潟 「新潟ではスギの木と男の子は育たない」(女手総がかりであとつぎの長男を甘やかすため自立心に乏しく涙もろい人間になる)
富山 金沢人の越中人評「越中さのあとには草もはえぬ」。「陰気にして智あり」
石川 「加賀百万石」(京都風の文化をもつ中心地金沢をつくったが、農民や町民を厳しく支配したため独自な町民文化は育たなかったとされる)
福井 「越中強盗、加賀乞食、福井詐欺」(富山の薬売りなど行動的な富山県民、前田家の支配下にあって消極的な石川県民、重要な交易路上に位置し知恵が働き自主的行動をとる傾向のある福井県民)
山梨 「めちゃかもん」(金に細かく負けず嫌いで執念深い)、「甲州商人」(野性味と敢闘精神で成功)
長野 「信州合衆国」(県内は盆地ごとに異なる歴史と文化を有し、長野はその連合体)、「薩摩の大提灯、信濃の腰提灯」C(大きな提灯をもった大人物に付き従うか、めいめいが腰に提灯をつけ勝手な方向に歩いていくか)、「信濃の提灯学校」C(提灯をかかげて帰らねばならないほど夜遅くまで教師が学校で議論し合う)
岐阜 「輪中根性」(美濃人の仲間うちの結束の堅さ)、「美濃を制する者が天下を制する」(京と東国をむすぶ交通の要衝かつ戦場という立地)
静岡 「駿河人は下駄の歯が後ろから減るが、遠州人は前から減る」(静岡市方面では順応性が高いが覇気に欠ける。浜松市方面ではせっかちで新しいもの好きで独創性に富む)
愛知 「偉大なる田舎」B、「名古屋の貯め倒れ」C(質素で計算高く、どこへ出掛けるにも財布と相談して、むだ遣いは絶対にしない)
三重 「近江泥棒に伊勢乞食」(滋賀県民は積極的でたくましく泥棒も辞さないが、のんびりしていて穏やかな三重県民は乞食になるしかない)
滋賀 「近江商人」(近江泥棒は本来は近江蕩者(どうもの、放蕩者=金を惜しまず新しいものを取り入れ)が由来という説も)
京都 「京のぶぶ漬け(京のお茶漬け)」C(帰る間際にお茶漬けを薦められても、客は遠慮して帰らないと礼儀をわきまえない人間と見なされる。遠回しに「そろそろ帰って」とほのめかす京都人の「いけず」精神を象徴する言葉とマイナスにとらえられることが多いが、もう少しお話したかったと言って余韻を残した分かれ方をする気づかいだと解する見方もある)、「三代いれば江戸っ子になれるが、十代つづかないと京都人とはされない」
大阪 「京の着倒れ、大阪の食い倒れ」(見掛けの優美さか実利第一か)、「がめつい」、「河内気質」(野性味)
兵庫 「芦屋」(高級住宅地。大阪船場の豪商が明治の初めに別荘地としてひらいたのが由来)
奈良 「奈良の寝倒れ」(おっとりとしていて、気が長い性格)、「番頭は近江から、養子は大和から」(才気の近江人、自己主張しない大和人)、「大仏商法」C(奈良の大仏様にところに来る観光客はこの後当分は来ないので商売がずるくなる。のんびりしている割に小賢しい県民性)
和歌山 「高野聖」C(紀北高野山を本拠とする遊行者。念仏を唱えながら全国を回って行商)、紀中・紀南は冒険人の「紀伊国屋文左衛門」
鳥取 「因幡のカラスに伯耆のネコ」(東部の「来るだか」対西部の「くるのだにゃ」という語尾の違い。閉鎖的な鳥取人対開放的な米子人)
島根 「弁当を忘れても傘を忘れるな」A(厳しい自然)
岡山 岡山方言「すらっこう」(てきぱきとしてそつがないありさま)
広島 「岡山にちかいため経済観念の発達した備後(福山、尾道など)に対し、浄土真宗が発達しあきらめがよく、あっさりした安芸(広島市など)」B、前者については「尾道トンビ」C(トンビのように眼光鋭く上空から観察して商売)
山口 「薩摩の大提灯、長州の小提灯」(大きな提灯をもった大人物に付き従うか、一人一人が小さな提灯をもって動くか)
徳島 「讃岐男に阿波女」(物腰が優美なやさ男に堅実で勤勉な女性という組み合わせでうまくいく)、「大阪府徳島」C(大阪経済の影響下で金銭感覚に抜かりなし)
香川 「へらこい」(讃岐弁。要領がよく、小ずるい。計算高い)、「讃岐の猿まね」C(新しいファッション、文化の消化が早い)
愛媛 「三予人」(勤勉だが金に細かい東予人、文人肌でおっとりしているが排他的な松山中心の中予人、おおらかで人情味があるがよそ者には冷たい南予人)、「伊予の駆け出し」C(半分聞いただけで興奮して駆け出すが、何で駆け出したか分からなくなる慌て者)
高知 男は「いごっそう」(まわりの言葉に耳をかざず、一人で決めて思いのまま)、女は「はちきん」(はきはきと快活で行動力にあふれる)
福岡 「博多っ子」(まつり好きの目立ちたがり屋)、「川筋気質」(血の気の多い筑豊炭田地域)
佐賀 「ふうけもん」、「いひょうもん」(融通のきかない堅物)
長崎 「かくれキリシタン」C(県民全体でキリスト教に限らず、結構、宗教心があつい)
熊本 「肥後もっこす」(強情で偏屈な性格)、「肥後の議論倒れ」(勝手な意見が出て、足を引っ張りあって何も決まらない)、「肥後の中将」C(熊本県人は豪放に見えても、案外、神経質で器量が小さく、出世しても中将どまりで大将になれない)
大分 「赤猫根性」(ずるがしこくて計算高く偏狭)、「よだきい」(気が進まない。誘いを断る個人主義)
宮崎 「いもがらぼくと」(宮崎の男性。里芋の茎でつくった木刀のようにやさしいけれどどこか頼りないありさま)
鹿児島 「薩摩隼人」。男は「ぼっけもん」(豪快にふるまう一本気で気性の激しい性格)、女は「おごじょ」(控えめで芯の強い女性)。「議をいうな」(講釈を垂れるより行動)。「薩摩飛脚」C(薩摩へ走らされた飛脚は戻ってこない。それほど閉鎖的)
沖縄 「門中」A(先祖が共通の血縁集団)、「テエゲエ主義」C(決着をつけるとか、やりとげるといった緊張感を自分にも他人にも和らげる)
(資料)武光誠「県民性の日本地図」(文春新書、2001年)、そのほか、@NHK放送文化研究所「現代の県民気質−全国県民意識調査−」(1997年)、ANHK放送世論調査所編「日本人の県民性−NHK全国県民意識調査−」(1979年)、B祖父江孝男「県民性」(中公新書、1971年)、C祖父江孝男「県民性の人間学」(新潮OH!文庫、2000年)
   

 青森の「じょっぱり」、東京の「江戸っ子」、大阪の「食い倒れ」、鹿児島の「薩摩隼人」など県民性の特徴をとらえようとした言葉は数多い。ここでは、これらを都道府県ごとにキーワード表として整理した。県民性を直接いいあらわすもの、地方ブロックの各県を比較する言葉、県内の地域性を対比させる表現など言い方はいろいろである。

 食べ物に関して、納豆をどの地域でも食べるようになるなど、国民の嗜好の全国平準化が進む中で、むしろ、ローカル食品がソウルフードとして関心を呼ぶ傾向がある(ダイヤモンド・オンライン連載記事、図録7724(都市別トップ消費食品)、図録7727(県庁所在都市別の中華めん・スパゲッティ消費)参照)。

 国民の性格判断でも同じような傾向にあるのではなかろうか。関心が薄れていくようで、むしろ、復活し続けるのが、県民性談義なのであろう。

(2019年11月17日収録、11月18日「県民性の人間学」で補訂、11月19日「京のぶぶ漬け」など)


[ 本図録と関連するコンテンツ ]



関連図録リスト
分野 地域(国内)
テーマ
情報提供 図書案内
アマゾン検索

 
(ここからの購入による紹介料がサイト支援につながります。是非ご協力下さい)