厚生労働省の
都道府県別生命表によると、2020年の平均寿命(0歳の平均余命)を都道府県別にみると、男では、滋賀、長野、奈良の順となっている(2015年は滋賀、長野、京都の順)。女では、岡山、滋賀、京都の順となっている(2015年は長野、岡山が同率1位、3位が島根)。
男女とも最も低い県は青森となっている。ただし、青森でも米国の平均(2020年には男74.2歳、女79.9歳)と比べるとずっと高い水準である。
個別の地域の順位推移については以下を参照されたい。
- 図録7252 青森と沖縄の平均寿命の推移(戦前から)
- 図録7253 秋田・長野・福井・和歌山・滋賀の平均寿命(全国順位の推移)
- 図録7254 大都市圏の平均寿命(東京・愛知・大阪の平均寿命全国順位の推移)
国内における平均寿命の地域格差の各国比較については図録
1652参照。
大正末(1921〜25年)から現在までの都道府県の平均寿命分布の推移を見ると、以下の点が目立っている(原データはe-Stat「都道府県生命表」の「都道府県別平均寿命の年次推移」の表)。
- 各地域で男女ともに平均寿命が大きく伸びている。
- 地域間の平均寿命の差が大きく縮小した(大正末の分布に比べると現在の分布はほとんど団子状であり、地域差はなくなったといってもよい)。下図の通り、地域差の縮小は1970年頃までにほぼ終了した。米国では健康保険の加入率の違いや所得水準の違いにより州によって6〜7歳以上の差がある点については図録1700、図録1710参照。2000年から2010年にかけては女は差が縮小したが男はむしろ拡大し差が女の2倍ほどに開いたが、2015年には、再度、男女ともに地域格差が縮小し、男女の差も小さくなっている。
- 男女差がひらいた。大正末では女の平均寿命の方が男より短い地域が存在した(福井、岐阜、広島など)。現在ではどの地域でも女性の方が平均寿命が長くなり、その差も大きくなった(図中の45度線から上へシフト)。
参考に2020年の米国の州別の平均寿命をプロットした。米国の州別の平均寿命は治安や健康保険の加入率、所得水準の違いにより州により9歳前後の差がある。これと比較して日本の場合はせいぜい2〜3歳の差であり地域別寿命の均質化が著しい。また、米国で男女とも最も長寿命のハワイ州より青森の方が寿命が長いことからも分かる通り、全体として日本の方が長寿命であるであることが実感できる。