日本の大企業ランキング

   

 平成最終年における世界の大企業ランキング上位50位を掲げた。順位は、企業価値を示す時価総額によっている。参考までに平成時代の初年次である1989年のランキング上位20位を併載した。

 日本の大企業ランキングは図録5441参照。営業利益による2007年度の世界の大企業ランキングは図録5410x、世界の金融保険会社ランキング上位30位は図録5415

 世界の大企業の最上位は、マイクロソフト、アップル、アマゾン・ドット・コム、アルファベット(グーグルの持株会社)、フェースブックという「ITビッグ5」、すなわち米国で起業し、国際的に展開しているIT関連の巨人企業5社で占められている。

 アマゾン・ドット・コムは、2018年9月に、株価の上昇により、アップルに次いで2社目の時価総額1兆ドル越え企業となったのが注目を集めた。1994年にジェフ・ベゾス氏が書籍のネット通販会社として創業したアマゾンは、近年、企業にサーバーやデータ保管などのサービスを提供するクラウド事業も収益の柱に成長し、また、米高級スーパーのホールフーズの買収による実店舗展開や「アレクサ」と呼びかけることで起動するスマートスピーカー「エコー」の成功などを含め、事業の幅を急速に拡大している。

 ネット通販のアマゾンは物流の整備にも多額の資金を要し、アップルやグーグルなど他のIT大手とは異なり低収益企業とみられてきたが「低収益ならばライバルの参入も少ない」として事業拡大を続け、この分野で独走態勢を築き上げたといわれる(毎日新聞2018.9.6)。

 上位IT企業の順番の入れ替えが激しい。以上のような動きから、2019年1月7日にはアマゾンがマイクロソフトを抜いて初めて世界首位に立っている。また、アップルは同年1月2日にiPhoneの中国での販売不振を理由に業績予想を下方修正したことが響き4位に沈んだ。しかし、その後、3月末には、マイクロソフトが首位に返り咲き、アップルも2位にまで順位を回復している。

 なお、米IT大手企業を指す用語として、グーグル、アマゾン、フェースブック、アップルという4社の頭文字をとった「ガーファ」(GAFA)、あるいはこれらにマイクロソフトを加えた「ガファム」(GAFAM)という呼び方が有名だが、フェイスブック、アマゾン、アップル、ネットフリックス、グーグルという5社の頭文字をとった「ファーング」(FAANG)という呼び方もある。

 5位はウォーレン・バフェットが率いる投資会社のバークシャー・ハサウェイであり、7〜8位は中国の2大ネット企業のアリババ・グループ(阿里巴巴集団)とテンセントが来ており、従来上位を占めていた米英の金融や石油関係の大企業は、それ以下となっている。

 日本の企業としては、唯一、トヨタ自動車が42位に位置している。

 図には、参考までに1989年(平成元年)の世界の時価総額ランキング20位までを併載した。

 また、以下に世界の時価総額ランキング50位の国別数を1989年(平成元年)と2019年(平成31年)で比較した表を掲げた。

世界の時価総額ランキング上位50社の国別会社数
1989年 2019年
日本 32社 1社
米国 15社 30社
英国 3社 2社
フランス 0社 1社
中国 0社 10社
スイス 0社 3社
ベルギー 0社 1社
(注)(資料)図と同じ

 バブル経済さなかの1989年には銀行などを中心とする日本企業がランキング50位までに32社が登場しており、米国の2倍の数となっていた。それが、今や、ランキング50位までがトヨタ自動車1社のみとなり、また当時の日本企業の多くが合併等で今はもう存在しない点に、「平成時代」における大きな状況変化を見て取ることができる。

 世界的には、この間に、日本企業が地位を大きく低下させたこと、IT・ネット企業がトップに躍り出たこと、中国企業の躍進が目立つこと、などの大変化が生じていることが明らかであろう。

 時価総額の比較は各国の為替レートや株価水準に左右される。1989年のランキングは、当時の日本の株式市場の非常に高い水準を反映している(株価の長期推移をあらわした図録5075参照)。そうであるなら現在の時価総額ランキングも同じように将来性のある企業かどうかで一喜一憂する人びとの評価で決まっていると考えられよう。時価総額ランキングはそうした意味で客観的な企業価値というよりは時代の趨勢を反映している側面が大きいといえる。

 図で取り上げた上位50社は、マイクロソフト(米国)1、アップル(米国)2、アマゾン・ドット・コム(米国)3、アルファベット(グーグル)(米国)4、バークシャー・ハサウェイ(米国)5、フェイスブック(米国)6、アリババ・グループHD(中国)7、騰訊(テンセント)HD(中国)8、ジョンソン・エンド・ジョンソン(米国)9、エクソン・モービル(米国)10、ビザ(米国)11、JPモルガン・チェース(米国)12、ネスレ(スイス)13、中国工商銀行(中国)14、ウォルマート(米国)15、バンク・オブ・アメリカ(米国)16、サムソン電子(韓国)17、P&G(米国)18、ロイヤル・ダッチ・シェル(英国)19、ノバルティス(スイス)20、ベライゾン・コミュニケーションズ(米国)21、マスターカード(米国)22、インテル(米国)23、シスコ・システムズ(米国)24、ユナイテッドヘルス・グループ(米国)25、ロシュHD(スイス)26、ファイザー(米国)27、シェブロン(米国)28、AT&T(米国)29、ウェルズ・ファーゴ(米国)30、ホーム・デポ(米国)31、中国建設銀行(中国)32、ボーイング(米国)33、メルク(米国)34、中国移動(中国)35、中国平安保険(中国)36、TSMC(台湾)37、コカ・コーラ(米国)38、ウォルト・ディズニー(米国)39、中国石油天然気(中国)40、中国農業銀行(中国)41、トヨタ自動車(日本)42、LVMHモエヘネシー・ルイヴィトン(フランス)43、オラクル(米国)44、コムキャスト(米国)45、ペプシコ(米国)46、アンハイザー・ブッシュ・インベブ(ベルギー)47、HSBC HD(英国)48、貴州茅台酒(中国)49、中国銀行(中国)50。参考に掲げた1989年の上位15社は、NTT(日本)、日本興業銀行(日本)、住友銀行(日本)、富士銀行(日本)、第一勧業銀行(日本)、IBM(米国)、三菱銀行(日本)、エクソン(米国)、東京電力(日本)、ロイヤル・ダッチ・シェル(英国)、トヨタ自動車(日本)、GE(米国)、三和銀行(日本)、野村證券(日本)、新日本製鐵(日本)である。

(2007年10月15日収録、2008年10月5日更新、2018年8月29日更新、9月9日アマゾンのコメント追加、2019年1月8日上位順位変動コメント、1月29日図修正、5月16日更新)


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