対象国は、外国人労働者の比率の高い順に、欧州では、ドイツ、フランス、スウェーデン、英国、イタリア、アジアでは、シンガポール、マレーシア、香港、タイ、台湾、韓国、日本、フィリピン、インドネシア、中国である。 外国人労働者数の絶対数が最も多いのはドイツの355万人である。ヨーロッパではフランスの158万人、英国の111万人と続いている。アジアではタイが110万人と最も多く、マレーシアの80万人がこれに続いている。日本の71万人と絶対数では結構多い部類である。 各国の労働力人口に占める比率を見ると、シンガポールが27.9%で圧倒的に多い。アジアの中でもシンガポールと並んで経済成長を急いだマレーシア、香港などでも外国人労働者比率はかなり高くなっている。ドイツは8.9%とヨーロッパでは最も多くなっている。日本、韓国は、それぞれ1.0%、1.3%と世界的に見て外国人労働者の低い国である。フィリピンやインドネシア、中国など後発の途上国では、むしろ先進国やアジア中進国に労働者を送り出す立場であり、外国人労働者の比率はほとんどゼロである。 シンガポールの外国人労働者は増加傾向をたどっており、その状況を下図に示した。シンガポールの貧富の格差は貧しい外国人労働者の存在によって生じている面もある。シンガポールの「平等主義者たちは数十万人の低賃金外国人にシンガポールが依存していることに胸を痛めている。彼らは建設現場にはどこでも見かけられる。多くは多人数が詰め込まれた寄宿舎など劣悪な環境で暮らしている。2013年12月の暴動は彼らが蒙っているフラストレーションのあらわれともいえる。それは、インド人の建設労働者が日曜のオフの日にバスに轢き殺された後に発生したのである。しかし、そうした事件はめったには起こらない」(The Economist July 18th 2015 Special Report: Shingapore)。 なお、各国の移民比率はOECD諸国は図録1170a参照、アジア・太平洋地域については図録8032参照、また、各国の外国人労働者の出身地については図録3835参照。 (2005年4月20日収録、2015年7月28日シンガポール推移を追加)
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