世界13カ国のうち9カ国で日本料理が一番人気である(自国料理を除く各国料理の中で)。その他3カ国、すなわち米国、ロシア、ブラジルではイタリア料理が一番人気となっている。なお、残る1カ国であるアラブ首長国連邦のドバイでは、中国料理とインド料理が1位である。 調査地は各国の首都など最も日本料理を食する機会が多い地域であり、調査対象者は、日本食を購入したことがあったり日本料理に興味がある人とされている(日本料理についてあれこれ質問するための前提)ので、日本料理に有利な条件となっていることは否めないが、それでも、世界的に日本料理に人気があることは確かであろう。日本料理の人気が高まっていることは、日本食レストランが世界で増えていることからも裏づけられる。この点については下の図に示した(図録0209a参照)。 日本料理が一番人気の国の中でも、中国、香港、台湾という中国人の国では回答率が95%以上であり非常に高くなっている。これに次いで、韓国、タイが90%台と高くなっている。 他方、日本料理が一番人気とはいえ回答率は59%と余り高くないことで目立っているのはイタリアである。イタリアは、いずれの外国料理への回答率も低くなっており、基本的に、自国料理志向が強い国という点が特徴となっている。 日本料理が一番でない国でも、ロシア、ブラジルではイタリア料理に次ぐ2番人気、米国では、イタリア料理、中国料理に次ぐ3番人気となっている。 日本料理に次いで世界で人気が高いのは中国料理であり、韓国、米国、イタリア、ベトナム、タイでは2番目に人気のある料理となっている。アラブ首長国連邦では回答率は余り高くはないがインド料理と並んで一番人気である。 韓国料理は、中国、香港では、7〜8割の人が好む人気料理であり、台湾、ベトナム、タイでも5割近くの人が好んでいるが、その他の国では人気がそれほどでもない。タイ料理も中国、香港、台湾で好まれているところは韓国料理と似たところがある。米国、フランスでは韓国料理よりタイ料理の方が好まれているようだ。 インド料理は、フランスで愛好度47%、アラブ首長国連邦で49%(トップ)と高いが、それ以外ではそれほど人気があるとはいえない。 フランス人は種々の海外料理が好きだが、中東・アラブ料理の人気はフランスで39%と特に目立っている。フランスでは北アフリカとの関係が深く、モロッコ、アルジェリアなどのマグレブ料理がさかんなためであろう。
(2015年3月23日収録、3月24日補訂、コラム追加、3月25日人気のある日本料理メニューのコラムを独立化して図録にし、新たに「日本料理の人気の理由」をコラムに、9月3日海外の日本食レストランの店舗数更新)
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