スウェーデンの人口ピラミッドは日本とよく似ている。日本ほど明確でないが団塊の世代と団塊ジュニアの世代の人口が多くなっており、また高齢化が進んでいる一方で若年層の人口が比較的少ないという点でも共通点が見られる。 日本と大きく異なっているのは、スウェーデンの場合は20代後半から30代前半にもうひとつの人口が多い世代が存在しているのに対して、日本は、傾向的に若年層が少なくなっている点である。それだけ日本の末すぼまりのかたちが目立っているといえよう。 スウェーデンの合計特殊出生率の動きを図録1550に示したが、スウェーデンでは1990年前後に出生率が大きく回復し、ただし、その後、再度出生率が低下している。これが、スウェーデンの人口ピラミッドで10代後半の人口が前後の世代と比べ多くなっている理由である。1990年前後にスウェーデンの出生率が大きく回復し、その後再度低下したかについては、少子化対策として実施された家族・子供向けの公的支出の増減が関係していることを、図録1582で示したところである。 なお、グラフの単位が日本が万人、スウェーデンは千人であることから分かるとおり、スウェーデンの人口は日本の10分の1以下の小規模国である。少子化対策についても、社会実験として容易に行いやすく、また財政状況によってはそれを取り下げるといった機動性に富んだ施策展開が実施されていると考えられる。それに比べ日本の取り組みはなかなか大胆になれない様子がうかがわれる。(たばこ税の上げ下げに関するスウェーデンの事例については図録4740参照、最近の国民負担率が税負担でなく社会保障の負担率減で低下している例は図録5100参照) (2006年8月23日収録、2015年4月6日更新、2019年6月11日更新、2023年1月21日更新)
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