メダル獲得競技・種目については図録3980参照。 (最終) 17日目の最終結果(日本時間8月12日朝)では、日本は、金メダル数は20個でオーストラリアを抜いて第3位、メダル総数は45個と6位だった。メダルランキングは5日目までの首位とは異なり、7日目以降7位で推移していが、15日目から4位へと躍進、最終的には3位となった。 メダルランキングでは金メダル40個の米国が、同40個の2位の中国を銀メダル数で上回りトップとなった。10日目に米国が中国を抜いてトップに立ったが11日目に中国が再度逆転、12日目には米国が再逆転、その後中国が米国に迫り、15日目に追いつき16日目に再逆転、最終17日目に最終種目だった女子バスケットボール決勝で優勝し、40個目の金メダルを獲得、米国再逆転とデッドヒートを演じた。国力的に米国と中国が競り合う状況を反映しているとも見られよう。 人口調整金メダル数では、金メダル1個のドミニカが1,870個とトップ。次いでやはり金1個のセントルシアの694個である。それぞれ、カリブ海に浮かぶ人口7万人、18万人の島国の三段跳びのシア・ラフォンド選手、陸上女子の100メートルのジュリアン・アルフレッド選手が獲得した国で初めての金メダルによるものだった。 金メダル数13個の韓国は人口調整数では31個と日本を大きく上回っており、同30個の開催国フランス並みに健闘したと言えよう。 開催国フランスは12日目の段階でメダルラッシュに沸いていると報じられた。「開幕前は無関心が懸念されたが、仏メディアは連日、自国選手のメダル獲得に熱狂する市民の声を伝える。一方、競技会場を渡り歩いてメダリストを祝福するマクロン大統領の姿には、五輪に便乗して求心力の回復を狙う政治的な思惑もにじむ」(朝日新聞2024.8.7)。 人口14億人と世界最大のインドはメダル総数6個、金メダルゼロと極端に振るわない。理由についてはスポーツへの投資不足などが指摘されるが(CNN、2024.8.15)、なぜ投資不足なのか不明であり、やはり大きな謎である。インドには不思議と宿屋が少ないという点について、中尾佐助は宿屋職のカーストがないからと言っている(「アジア文化探検」)。だとすれば、スポーツ選手職のカーストがないからスポーツが振るわないのかもしれない。 なお、同じ南インドでは、男子やり投げのナディームが個人種目でパキスタン初となる金メダルを勝ち取っている。 (日本がメダルランキングトップから陥落した6日目) 6日目の結果(日本時間8月1日朝)では、日本は金メダル数8個で中国に次ぎ、フランスと同数の2位、メダル総数は15個と6位だった。メダルランキングは5日目までの首位はさすがに続かず、中国、フランスに次ぐ3位。 中国は6日目に女子シンクロ高飛び込み、自転車・BMXフリースタイル女子パークと男子競泳100m自由形の決勝で3つの金メダルを獲得し、金メダル数とメダルランキングで日本を抜いて首位に躍り出た。男子競泳100m自由形の決勝を征した潘展楽選手は46秒40の世界新で金メダルを獲得したが(図録3988s)、オリンピックの代表的競技種目で世界新の金メダルが出て日本がメダルランキングで逆転されたのに、その点が日本のテレビではまったくふれられなかった。客観的報道からはほど遠いことが分かる。 (3〜5日目には日本がメダルランキング・トップ) 3日目の結果が分かる日本時間の7月29日朝には、日本が金メダル数4個でオーストラリアと並んで首位、メダル総数は7個で米国、フランスに次ぐ3位、メダルランキングでは金銀それぞれ4個、2個で同数だが銅が1対0だったのでオーストラリアを抜いて首位となった。少なくとも一時的には世界1のメダル国となった点は記憶に留めておいてもよいだろう。 もっともこの段階でも人口調整金メダル数では、オーストラリアが19個で1位、香港が17個で2位となっており、日本の4個を上回っていた。 驚いたことに一時的がさらに2日続いた。4日目には日本が金メダル数6個でフランスなど4か国の5個を上回る単独トップとなり、5日目にも金メダル数7個で中国、オーストラリアの6個を上回る単独トップとなり、メダルランキング3日間連続でトップを維持した。 (開幕時の各国メダル数予測) スポーツデータの分析や提供を行う専門会社、グレースノート(本社・米国)の開幕時の予想では、今大会の日本選手団のメダル数は、金13個、銀13個、銅21個の計47個とされ、また各国のメダル獲得予想は以下の通りだった(nippon.com、2024.07.27)。 (異色ランキング) 朝鮮日報が異色ランキングとして興味深い観点からの金メダル数上位3か国のリストを作成しているので掲載した。 朝鮮日報の別の記事では、「アジア・ビッグ3」が総合ランキング10位以内にそろって入ったとして日中韓三カ国のメダル獲得状況を総括しているので興味のある方はご覧ください。 (過去の結果) 過去のオリンピックにおける各国メダル数については以下の図録を参照されたい。これらは大会終了時の結果なので下表の最新時点でのIOCデータと異なっている場合がある。 2021年東京大会(図録3983t) 2016年リオ大会(図録3983v) 2012年ロンドン大会(図録3983z) 2008年北京大会(図録3984) メダル数と経済規模の相関の主要国推移については図録3981参照。 以下には2000年以降パリ大会までの上位国の金メダル数及び金メダルランキングの推移を掲げた。 (2024年7月28日収録、以降随時更新、8月10日グレースノート開幕時メダル予想、8月17日上位国金メダル推移更新、異色ランキング、8月20日インドのメダルの少なさ)
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