2021年東京オリンピックの各国メダル数

 2012年開催のオリンピックロンドン大会における各国のメダル獲得数をグラフにした。

 データは速報掲載に続きYahooスポーツのロンドン・オリンピックサイト(国別メダル獲得ランキング)による。最終獲得数は東京新聞2012.8.14でも確認。

 日本は金メダル数は7個、メダル総数38個であった。日本選手団のメダル目標は金メダル上位5位以内であったが実際の順位は10位であり、目標達成はかなわなかった。ただしメダル総数は過去最多の38個だった。日本のメダル数の評価については図録3980参照。

 世界の金メダル数は多い順に米国、中国、英国、ロシア、韓国の順である。

金メダル数の推移
ロンドン
順位
  2012
ロンドン
2008
北京
2004
アテネ
2008〜12
増減
2004〜08
増減
1 米国 46 36 35 10 1
2 中国 38 51 32 -13 19
3 英国 29 19 9 10 10
4 ロシア 24 23 27 1 -4
5 韓国 13 13 9 0 4
6 ドイツ 11 16 14 -5 2
7 フランス 11 7 11 4 -4
8 イタリア 8 8 10 0 -2
ハンガリー 8 3 8 5 -5
10 オーストラリア 7 14 17 -7 -3
日本 7 9 16 -2 -7
カザフスタン 7 2 1 5 1
13 オランダ 6 7 4 -1 3
ウクライナ 6 7 9 -1 -2
ニュージーランド 6 3 3 3 0
16 キューバ 5 2 9 3 -7

 金メダル数とメダル総数がトップに返り咲いた米国は女子のメダル数が夏季五輪ではじめて男子を上回った(13個超過)。「米国オリンピック委員会(USOC)のスコット・ブラックマン最高責任者は「世界も女性の参加を促す傾向にある。我々は先に進んでいることを示した」と話した。」競技による格差が広がった点も米国の特徴だった。「米国ではスポーツへの国の支援はなく、USOCが強化資金を配分している。しかし、経済不況による収入減でUSOCは競技団体への配分を見直した。今回メダルを量産した陸上、競泳、体操は国内でも人気があり、格付けもトップ。一方で、かつて金メダル16個を獲得した重量挙げは格付け下位で3大会続けてメダルはゼロと競技間の格差は広がった。」(毎日新聞2012.8.14)

 開催国英国の金メダル数は29個世界3位と前回北京の19個世界4位から大きく躍進し開催国効果をみてとることができる。もっとも2004年アテネから2008年北京にかけても10個の増であるので金メダルの増加へ向けての長期的な取り組みが背景にあると考えられる。特にロンドンに向けての強化は大きく、「ロッタリー(国営宝くじ)の収益を財源にした強化費を、北京五輪後の4年で約2億6400万ポンド(約330億円)も投入。しかも国際大会の実績に応じて競技により配分額に大差をつける「成果主義」を徹底した。その成果が形になったと言える。」(毎日同上)

 中国の金メダル数は38個と前回北京では開催国ということから多かった51個(世界一)を大きく下回った(図録3985参照)が自国外では2004年のアテネの32個を上回り最多の成績であった。外国人コーチが指導する練習の近代化により、1500メートル自由形で世界新を記録するなど競泳陣の躍進が目覚ましく北京の金1個から5個に増やした(毎日同上)。

 韓国は資金力豊富な大手企業が競技単位で支援する選手育成システムという背景もあって北京と同じ金メダル13個と国としての目標金10個を上回った。大手企業の支援については「金メダル3個を獲得したアーチェリーは現代自動車、金2個のフェンシングは大手通信会社のSKテレコム、初めての金メダルを獲得した体操はポスコ−−といった具合だ。各企業の経営者が競技団体トップになることも珍しくなく、国家補助だけでは費用が足りなくなる海外遠征の費用などを企業が負担している。」(毎日同上)

 次ぎに日本の金メダル数が多いか少ないかを人口比で評価してみよう。

 各国の金メダル数については、ある意味では、人口の少ない国であればより価値が高いし、逆に人口の多い国であれば金メダル数も多くて当然といえる。参考のために、人口調整金メダル数を同時に示した。これは、もしその国が日本と同じ人口であったなら、何個の金メダルに相当するかという数を試算したものである。日本の人口の半分の国であれば金メダル数を2倍にし、3倍の人口の国であれば金メダル数を3分の1にしてある。

 例えば、ロンドンオリンピックにおいて、人口の少ないニュージーランドの金メダル6個は日本の人口規模でいえば174個に値している。つまり日本の25倍も金メダルを取っている勘定となる。

 特にジャマイカは人口270万人の小国にも関わらず、金メダルは合わせて4個となっており、日本人口であれば189個と人口調整金メダル数で世界一となっている。

 人口調整金メダル数で比較して日本の位置を探ると、図に掲げた30カ国の中で日本を下回っているのは、中国、ブラジル、エチオピア、ケニア、カナダのみであり、先進国の中ではカナダに次いで最少である点が目立っている(途上国で人口の大きさの割に金メダル獲得が難しいことは人口大国インドの金メダル数がゼロであることからもうかがえる)。金メダル数を競技スポーツの実力だとすると日本の実力はかなり劣っているといわざるを得ない。

 今回開催国でなくなり金メダルをかなり減らした中国については、金メダル数世界第2位であるが、日本と同じ人口なら4個と決して多くはない。

 なお、各国の人口は図録1167参照。

 図に掲げた30カ国を掲げると、金メダル数の多い順に、米国、中国、英国、ロシア、韓国、ドイツ、フランス、イタリア、ハンガリー、オーストラリア、日本、カザフスタン、オランダ、ウクライナ、キューバ、ニュージーランド、イラン、ジャマイカ、チェコ、北朝鮮、スペイン、ブラジル、ベラルーシ、南アフリカ、エチオピア、クロアチア、ケニア、アゼルバイジャン、ポーランド、カナダである。

(2012年7月29日収録、30日以降毎日更新、8月13日更新、8月14日ベラルーシ女子砲丸投げ金メダルがドーピング違反で剥奪、ニュージーランド金昇格という変更後の数字、2016年8月7日図録コード3983vから変更)


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