近年のテレビ放映で高視聴率が話題となったのは次の通り(以下、ビデオリサーチ調べ、関東地区、平均世帯視聴率)。
2023年3月に行われたWBC日本戦の高視聴率が話題となった。 <決勝> ・米国戦(23日)42.4%(テレビ朝日) <準決勝> ・メキシコ戦(22日)42.5%(TBS) <準々決勝> ・イタリア戦(16日)48.0%(テレビ朝日) <1次ラウンド(R)> ・オーストラリア戦(12日)43.2%(テレビ朝日) ・チェコ戦(11日)43.1%(テレビ朝日) ・韓国戦(10日)44.4%(TBS) ・中国戦(9日)41.9%(TBS) <参考>WBC中継 過去最高平均世帯視聴率 ・2006年 決勝日本-キューバ(3月21日午前)43.4%(日本テレビ) それ以前のテレビ放映で高視聴率が話題となったのは、
(注3)深夜のテレビ視聴が神戸市民の水道使用量の変化にも表れていることが報じられた。 (注2)全体を通しての平均世帯視聴率は22.4%に達し、深夜0時以降のフジテレビのサッカー中継としては2011年7月17日の女子W杯決勝・日本−米国戦(深夜3時35分から放送)の16.9%を抜いて歴代最高となった(中日スポーツ 2022.12.5)。 (注1) W杯カタール大会の全試合のインターネット無料配信について200億円近い放映権料を支払ったとされるABEMAの日本―ドイツ戦が行われた23日の1日あたりの視聴者数は開局以来初めて1000万を超えたという。一方、テレビの視聴率の方は伸び悩んだ。「約35%という数字に民放スポーツ担当者は「W杯の日本戦で40%を下回るのは衝撃的」と驚いた。前回ロシア大会の1次リーグでは、午後9時開始のコロンビア戦が48.7%、午後11時開始のポーランド戦が44.2%。これと比較してもかなり下落した。同担当者は「祝日の午後10時開始とあって家で過ごした人も多かったはず。それを考えても数字が伸びなかった」と指摘。「ABEMAの視聴者数を含めると、日本戦を見た人数は4年前とあまり変わらず、かなりのテレビ視聴者が“食われた”形になったのでは」と分析した」(スポニチ2022.11.25)。 期待が高まった第2戦のコスタリカ戦の視聴率は40%を大きく越えたから、ドイツ戦の場合は最初から勝てないと考えて見ない人も多かったから視聴率が低かっただけなのかもしれない。 2022年はやはりワールドカップ日本代表の活躍がもっとも国民の関心を集めたことが、以下のようなテレビ視聴率のランキングからもうかがえる。 (過去の高視聴率番組) これまでに放送された高視聴率番組のトップテンを放送日順に並べた図を掲げた。 歴代1位は、1963.12.31放送の第14回NHK紅白歌合戦であり、なんと81.4%と8割以上を記録している(図録3967a参照)。この時の瞬間最高視聴率は五月みどりの「一週間に十日来い」で85.3%を獲得したという(注)。なお、紅白歌合戦は最高視聴率の年だけカウントしている。 (注)通常のテレビ番組ではないが、1964年10月10日のオリンピック開会式の中継を見た人はNHK、民放合わせて84.7%に達した。また1972年の浅間山荘事件の中継放送では人質が救出された後、中継時間中最高の視聴率89.7%を記録し、テレビ放送史上の”事件”となったという(NHK「日本人の生活時間・2000」、p.78、p.85)。 紅白の次には、1964年の東京オリンピック(女子バレー・日本×ソ連ほか)、2002年のサッカーW杯/日本×ロシアが60%台後半で続いている。 白黒テレビの世帯普及率が50%を越えたのは1961年である(図録2650)。テレビがはじめて身近となった1960年代の番組が高視聴率番組トップ10のうち6つを占めており(しかも1966年まで)、当時、いかに国民ぐるみでテレビに夢中になったかがうかがえる。 1970年代以降は、トップ10に入るような高視聴率番組は10年に1本の頻度である。そうした意味からは、2002年のサッカーW杯・日本×ロシアが歴代第3位の視聴率だったのは、驚くべき高さだったと評価できる。
ミュンヘンオリンピックは、会期中の9月5日、パレスチナゲリラが選手村のイスラエル選手宿舎を襲撃、銃撃戦の末に多数が死亡するというミュンヘンオリンピック事件が起こったことで知られる。日本男子バレーボールは大会前から日本国内の話題をさらい、テレビ番組「ミュンヘンへの道」なども放送されていた。9月8日に行われた準決勝の対ブルガリア戦でセットカウント0-2からの奇跡の逆転劇を演じ、金メダルを獲得した。
「おしん」は、歴代高視聴率番組になっているが、NHK朝の連続テレビ小説の中でこれまでの最高の平均視聴率(52.6%)を記録してもいる(図録3965)。 高視聴率を記録した過去2回のワールドカップ戦についてコメントしておこう。 初出場となった1998年のW杯フランス大会では日本はグループH(アルゼンチン・クロアチア・日本・ジャマイカ)に属していたが、3戦3敗で決勝トーナメントへの進出は逃した。 スタッド・ド・ボージョワール(ナント)で行われたクロアチア戦は、日本としては、アルゼンチン戦に次ぐ第2戦であるが、1-0で負けた。グループHのもう一試合、アルゼンチン対ジャマイカは5-0でアルゼンチンが大勝。これにより、日本は最終戦となるジャマイカ戦に勝っても決勝トーナメント進出ができず、1次リーグ敗退が決まった。なお、アルゼンチンとクロアチアが決勝トーナメント進出を決めた。 クロアチア戦での高視聴率には前史があった。1994年アメリカW杯アジア予選の対イラク戦で後半ロスタイムに同点に追いつかれ、大会参加を逃した(ドーハの悲劇)。1997年フランス大会予選では、対イラン戦で延長戦の末、岡野雅行のゴールデンゴールでイランを3-2で破り、1954年のスイス大会予選から43年越し10回目の挑戦にして悲願のワールドカップ出場権を獲得したのだった(ジョホールバルの歓喜)。 日韓共同開催となった2002年W杯では、グループリーグ初戦のベルギー戦を2-2の引き分けで初の勝ち点を獲得。横浜国際総合競技場(横浜)で行われた続く 第2戦ではロシアに1-0で勝利して本大会初勝利を収めたのだった。なお、最終戦でチュニジアに2-0で勝利し2勝1分の1位で初の決勝トーナメント進出を決めた。なお、決勝トーナメント1回戦ではトルコに0-1で敗れ、ベスト16という成績で地元開催のW杯を終えた。 (2014年1月14日収録、2019年1月29日最近高視聴率番組、10月15日ラグビーW杯対スコットランド戦、10月21日ラグビーW杯対南アフリカ戦、12月10日第14回紅白瞬間最高視聴率、2022年1月5日コメントデータ更新、11月24日W杯日本・ドイツ戦、11月25日同左(注)、11月28日コスタリカ戦、12月5日ドイツ戦、12月6日クロアチア戦、12月7日同水道使用量、2023年1月5日22年視聴率ランキング、1月28日オリンピック開会式、浅間山荘事件視聴率、3月13日〜23日WBC日本戦データ更新、10月10日更新、2024年8月6日五輪パリ大会)
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