大統領は私的なこととして記者会見でのコメントを拒んでいるが、Pew Reserch Center のWeb記事によると「フランスの世論調査(1月10〜11日)は77%が個人的なことであり、たまたま大統領が関係者なだけとし、23%が公的関心事としている。」フランス人はある意味大統領を支持しているのである。「浮気で非難されたい政治家はいないが、フランスのリーダーであるオランド氏はほとんどの国の政治家より有利な立場にある。夫婦間の不祥事に世界一関心のないのがフランス人だからだ。」(2014.1.14, by Richard Wike) ここでは、この記事で証拠として掲げられた国際世論調査の結果を図示した。 確かに、不倫・浮気(既婚者の情事)を道徳的に許されないとするフランス人は47%と世界で唯一5割を切っている点で目立っている。道徳の問題ではないとするが40%、また、何と道徳的に許されるとする者が12%もいるのである。同記事によると、「許されない」の男女別割合は男性が45%、女性が50%であり、「基本的にはジェンダー・ギャップはない」とされている。 世界各国の「許されない」の割合を見ると、フランスのほか、ドイツ、イタリア、スペインなど西欧で低く、トルコ、エジプト、インドネシアなどイスラム圏で高いのが目立っている(同割合の最も高い9カ国はすべてイスラム国)。 米国は、上から25位と、西欧と異なり、浮気の許容度は低い。 日本は意外にも許容度が対象国39カ国の中で9位と比較的寛容である。道徳的に許されるの割合では、チェコが17%と最も高いが、2番目に高いのは、チリの13%、そして3位はフランスと並び日本、ベネズエラの12%である。東アジアの儒教圏の中では、韓国が24位と最も許容度が低く、中国は15位と中間的である。 なお、フランスは、浮気には寛容だとしても、案外、浮気は少なく、奔放な恋愛の国でもない点については、図録2263、図録2302参照。また、フランスは、結局のところ、男が女より幸せに暮らしている点で世界一であることについては図録2473参照。 ピューリサーチセンター調査の道徳的許容度に関する結果については不倫以外では以下を取り上げているので参照されたい。 ・飲酒(図録1972) ・婚前交渉(図録2459) ・ギャンブル(図録2683) ・全項目の各国順位(図録2787d) 対象40カ国は許容度の高い順に、フランス、ドイツ、インド、イタリア、スペイン、南アフリカ、チェコ、チリ、セネガル、日本、ロシア、ポーランド、アルゼンチン、イスラエル、メキシコ、中国、英国、カナダ、ベネズエラ、ナイジェリア、オーストラリア、ギリシャ、ウガンダ、ケニア、韓国、ブラジル、米国、ボリビア、ガーナ、エルサルバドル、フィリピン、チュニジア、マレーシア、パキスタン、レバノン、インドネシア、エジプト、ヨルダン、トルコ、パレスチナである。
(2014年1月17日収録、1月19日岩見隆夫追悼記事追加、4月24日インド追加、2017年8月7日(注)にインド注意事項記載)
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