肉(生鮮肉)と魚(生鮮魚介)の単価は、1980年代までは、肉の方が魚より高かったが、1990年代以降、牛肉自由化の影響による牛肉価格の低下などにより、グラム単価でほぼ同じとなり、デフレ経済の中で双方傾向的低落の状況にあった。 2004年以降は米国BSE牛発見に伴う輸入禁止で再度肉の単価がやや高まり、2008年には世界的な穀物高騰でエサ代が高くなってさらに単価が上昇したが、その後は一気に低落した。一方、魚については2006年に資源量の制約や中国等世界的な水産ブームの影響で魚が再度単価上昇に転じてから、おおむね横ばい傾向となった。2013年以降は円安の影響もあって肉も魚も単価が上昇した。2015年以降は魚の単価上昇に対して肉は横ばいかじり高である。 この結果、肉と魚では一時的な例外を除いて長い間肉の方が値段が高かったのであるが、2010年代以降は基本的に魚高傾向が続いている。 しかも、肉と比べて魚の方が割高感がある。グラム単価が同じでも、骨や頭尾、貝殻など魚は不可食部分がかなりあるため、身の部分で割高と感じられているのである。 小中学生の子供のいる家庭の6割近くは、夕食に魚介料理を食べる頻度が週2日以下となっているという調査結果がある。その理由をきくと、「肉より割高」が第1位であり、第2位の「子どもが魚介類を好まない」、第3位の「調理が面倒」を大きく上回っていた((社)大日本水産会「水産物を中心とした消費に関する調査」2004年度)。 こうした点から消費量は肉が横ばいであるのに対して魚は低迷している(図録0280、図録0290)。ただ好きな料理としては魚料理が肉料理を凌駕する状況が一層深まっており、実際の消費と嗜好にはギャップがある(図録0332参照)。 生鮮魚介の主要魚種別の価格を見ると、単価がおおむね200円かそれ以上のまぐろ、たい、えびといった高級魚の価格が1980年代に上昇し、1990年代に低下しており、これが、全体の生鮮魚介の価格推移にむすびついていたと考えられる。輸入物、養殖物の影響が考えられる。まぐろは2006年から資源量の制約等により価格上昇に転じている。この結果、高級魚の中も、まぐろとたい、えびの価格差が開いている。 一方、単価が100円前後、あるいはそれ以下の回遊魚中心の大衆魚については、2000年代までは低下していたあじ、さんまを含めて漁獲量が減り、最近は全体的に価格が上昇傾向にある。 まぐろを除く高級魚が輸入や養殖の影響で価格が落ち着き、沿岸・沖合資源の減少で大衆魚の価格が上昇しているので、今や高級魚と大衆魚の価格差が大きく縮まり、かつてのような明確な差がなくなっている。 生鮮肉の単価については、勿論部位によって異なるが、平均すると、牛肉が、貿易自由化前には300円以上、自由化以降には260円〜270円程度で推移していた(米国のBSE感染牛発見に伴う輸入禁止で再度300円近くに上昇)。豚肉は、牛肉の半分近くの150円弱、鶏肉はそれより安く、100円弱で安定的に推移している。ちなみに、チーズはほぼ豚肉と同等、卵は25円前後と格段に安くなっている。2008年は世界的な飼料高騰の影響で肉類、チーズが値上がりした。チーズはそれ以降高値安定が続いている。2022年のウクライナ戦争による穀物高騰により牛肉、チーズ、卵などが全般的に値上がりしている。 なお、1グラム1円理論というものがあり、個人的には、これを大いに参考にして買物をしており、物の値段の評価基準にしている。1グラム1円理論とは、これより高ければ高級品、これより安ければ低価格品とするものであり、食品にも、自動車など工業製品にも当てはめられる普遍的な基準であるとするものである。クルマであると1車1トンぐらいなので100万円以上だと高いクルマとなる。肉や魚でも、図に掲げたとおり、大雑把には、100グラム100円がひとつの判断基準である。豚肉でもバラ肉や挽肉は100円を下回ることが多いが、ロース肉は170円程度である。ロース肉でも100円近くの値を付けた特売品は買いである。チーズでも100グラム100円を切った場合は、買うことにしている。チーズを安いからといって買うことは最近少なくなった。 卵とそばの長期的な価格推移を図録4702に掲げたので参照されたい。 (2006年4月27日収録、2008年1月16日更新、2009年9月24日更新、2013年4月28日更新、2016年5月31日更新、2019年2月8日更新、2024年11月24日更新、12月4日2024年見込み)
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