同調査の「食習慣の世代差」各図録 ・好きな家庭食(0327j) ・子どもの頃のごちそう(0327k) ・好きな給食メニュー(0327g) ・よく食べる行事食(0327m) 日本人の好きな料理ランキングについては図録0332も参照。 調査対象となった世代は、当時の20代、40代、60代であり、それぞれ、平成生まれ、団塊ジュニア、団塊の世代に当たっている(ただし60代は団塊の世代の後期層)。 日本人の好きな料理も世代によって大きく変化していることがうかがえる。 各世代で1位、2位の料理がすべて異なっているのは驚きである。すなわち、20代は「カレーライス」、「唐揚げ」、40代は「ハンバーグ」、「ギョウザ」、60代は「刺身」、「煮物」である。 これらと各世代が他を大きく上回る特徴的な料理を表で整理すると以下である。
団塊の世代を含む60代では「和食」が好みであるのが、団塊ジュニアを含む40代では好みが「洋食」に変化し、さらに平成生まれの20代では「和食化した洋食」へとさらに好みが変転を遂げていると要約できよう。 40代が好む「洋食」には、ギョウザなど中華料理も含まれるが、いずれにせよ明治維新以降、日本の家庭に取り入れられた外国料理がルーツの食べものである。「肉じゃが」などもほとんど和食化しているが、もともとは西洋料理のビーフシチューがルーツである。 「肉じゃがのルーツは、かつて東郷平八郎元帥がイギリス留学中に食べた「ビーフシチュー」を艦上食として作るようにと部下に命じ、調理員が当時貴重だった赤ワインのかわりにしょうゆを入れるなど試行錯誤を重ねた結果、「甘煮」が生まれたのではないかという説がある。その作り方は当時の「海軍厨業管理教科書」に載せられていた」(農水省「うちの郷土料理」呉の肉じゃが)。 ラーメンやカレーが日本においてダシ(出汁)の食文化を取り入れた料理として発展をとげている点については図録0332参照。「洋食」じたい「日本食化した外国料理」と定義できよう。 (2025年4月7日収録)
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