農林中金は世代ごとの食習慣の違いを扱った調査を2019年に行っているが、この中で、子どもの頃の「ごちそう」が何だったかについての設問を設けているので、その結果をグラフにした。

同調査の「食習慣の世代差」各図録
・好きな家庭食(0327j
・子どもの頃のごちそう(0327k
・好きな給食メニュー(0327g
・よく食べる行事食(0327m

 調査対象となった世代は、当時の20代、40代、60代であり、それぞれ、平成生まれ、団塊ジュニア、団塊の世代に当たっている(ただし60代は団塊の世代の後期層)。

 子どもの頃の「ごちそう」が何だったかの世代差を見ると、60代の団塊の世代と20代・40代の次世代とでは、ごちそうと見なす料理に大きな違いが認められる。

 「寿司」だけは例外的に超世代のごちそうだが、60代のごちそうだった「すき焼き」、「カレーライス」は、40代以下ではごちそう視しなくなった。それらは特別の日の料理から日常食化したといえよう。

 逆に、「ステーキ」、「焼肉」、「ハンバーグ」は60代ではごちそう視されていなかったのに、40代以下ではごちそうと認識されるようになった。それらを提供するレストラン・外食チェーン店が団塊の世代が子どもの頃には少なかったのが、40代以下の世代が子どもの頃には親に連れて行ってもらう特別な日の料理となったからだと思われる(注)

(注)例えば、主要なステーキチェーン店の創業年次を掲げると、びっくりドンキー(1968年)、フォルクス(1970年)、ステーキ宮(1975年)、ステーキのどん(1976年)、ビッグボーイ(1978年)、ブロンコビリー(1983年)である。回転寿司チェーンのはじまりである元禄寿司の創業が1958年なのでこれに少し遅れるかたちとなっている。

 20代と40代は子どもの頃のごちそうでは余り違いがないが、20代が40代以上よりごちそう視するようになった料理として「唐揚げ」と「エビフライ」をあげることができる。

 子どもの頃のごちそうとして案外回答率が低かったのが「うなぎ」である。「うなぎ」は大人のごちそうであり、子どもを喜ばせようと食べに行く料理ではないからであろう。

(2025年4月8日収録)


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