1人当たりの所得水準の地域格差が国によってどの程度かを比較したグラフを掲げた。比較の対象となった国は基準を揃えた統一的なデータベースが整備されているOECD諸国である。その他主要国についても同様のデータを付加した。なお、図録8400では、中国、バングラデシュ、マレーシア、フィリピンといったアジア諸国と日本の地域格差を比較している。特に地域格差が問題とされている中国の地域格差については図録8500参照。

 地域格差は1に近いほど格差が大きいジニ係数で比較している。それぞれの国の規模や国ごとの地域区分のあり方(末尾コラム参照)によって、結果の評価は、充分な配慮が必要であるが、おおまかにはこれで地域格差の状況を把握することが可能である。

 結果は、格差の大きな上位の国は、OECD諸国ではチリ、メキシコ、スロバキア、それ以外ではインドネシア、コロンビア、ロシア、ブラジルとなっており、途上国的性格の強い国で地域格差が大きいことを示している。

 日本はOECD31カ国中27位と地域格差は小さい。ソウルとそれ以外など地域格差が大きいと言われる韓国では、ジニ係数で比較すると日本の2倍以上の地域格差となっている。

 格差社会が問題とされる中で地域格差も大きなテーマとなっているが、これは、第1に、地域ごとの高齢化の進み具合の違いがこの後の格差拡大につながりかねないこと、第2に、グローバリゼーションの中で進む企業の海外進出や農林水産物の競争激化によって労働集約型の産業や1次産業の比率の高い地域が打撃を蒙っていること、第3に、進行中の地方分権改革、三位一体の改革で、税源が地方に移譲されつつあるが、自主財源の乏しい地方の相対的な財源難とそれ故の投資不足が懸念されていること、などにより、これまでの比較的小さかった地域格差が今後拡大の一途を辿るのではないかというかなり現実性が高い心配のためである。

 2000年前後との比較ではグローバリゼーションや競争激化という環境変化の中で地域格差が広がっている国もあれば狭まっている国もある。日本はほぼ横ばいである(図録7450参照)。中国は、地域格差が縮小する傾向にあるようだ。

 この図録は1時点の国際比較であるが、地域格差の推移を主要国で比較した図録8392も参照。


(2006年9月11日収録、2012年6月22日更新、2016年10月17日更新、2024年5月10日コラムを独立化)


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