各国の規模が異なり、また地域区分も種々であるので厳密な比較は出来ない。例えば、中国の省の多くは1国を超える人口規模をもっている。しかし、大きく状況を把握することは可能である。 途上国アジアの地域格差(地域別の所得格差)は、第1に、首都圏とその他の地方との格差が大きいことが目立っている。 マレーシアのクアランプールとその他地域、フィリピンのマニラとその他地域では明らかな格差がある。 中国では首都北京だけでなく、上海、天津などの中心都市とその他地域との格差が歴然としている。 ただし相対的に発展度の低いバングラデシュでは首都ダッカとその他地域との格差はそれほどでない。 一方、日本では事実上の首都圏である南関東は2位の東海や3位の近畿中心と比べてそれほどの格差はない。 第2に、首都圏を除く地方間での格差も大きい。首都圏を除く最上位地域と最下位地域とを比較してみよう(ただし極端に高い、低い地域は除く)。 最も地方間格差が大きいのは、中国であり、浙江省と甘粛省の差は3.5倍にもなっている。次にマレーシアのセランゴールとサバが2.3倍の格差、フィリピンの中央ルソンと東ビサヤが1.9倍となっている。一方、バングラデシュのクルナとパブナでは1.5倍とそれほどの差はない。また、日本では南関東と沖縄で1.7倍の格差となっている。 (関連図録) 日本を含むOECD諸国の地域格差の比較については図録8390参照。 世界各国の地域を問わない世帯の貧富の差(所得格差)については図録4650参照。 中国の国内地域格差については図録8500参照。 (2004年8月3日収録)
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