外国人留学生が増えている(図録6143)。日本における外国人留学生はアジア途上国からの留学生が多く、日本人の海外留学生は欧米向けが多い。この点を国別の人数として示したグラフを作成した。

 2011年の日本における外国人留学生は23万9,287人であったが、そのうち4割を占める9万8千人は中国人である。中国人は他国人と比べ漢字を覚える手間の点で日本語習得が有利と言われる。これに次いでベトナムからの5.4万人が多く、さらに、ネパール、韓国、台湾、インドネシアと続いている。トップテンはすべてアジア諸国であり、アジア出身の留学生が9割以上を占めている。

 海外からの留学生を各大学が積極的に受け入れようとしている動きについては、大学の外国人留学生数ランキングを掲げた図録3868e、都道府県留学生数を掲げた図録7356参照。

 海外に留学した日本人留学生は各国の統計をまとめた文部科学白書によれば2014年に約5.3万人となっている。渡航先としては米国が最も多く1.9万人。中国、台湾、英国、オーストラリアがこれに続いている。欧米諸国(その他を除く)の比率は2003年から2014年にかけ76%から53%へ低下しており、アジアシフトが起こっていることがうかがえる。

 なお、以下に見るように日本人留学生は近年人数が減っている。米国においても日本人留学生の地位がインド人や中国人、韓国人と比較して低下している点については、図録6150参照。


 送り出し、受け入れを問わず留学を通じ図に示した諸国と将来に渡って深い付き合いをしていくという点で興味深いデータである。明治維新以後の日本は海外留学生を多く送り出し、この図でいえばオレンジの部分の方が他国から受け入れるブルーの部分より多かったであろうが、現在は、これが逆転している点に先進国化の姿を見てとることも可能であろう。

 各国が送り出している海外留学生数のランキングは図録6138参照。

 留学後その国に残って働く者など高学歴人材の国際流動比率は日本の場合非常に小さい点については図録3840参照。

(2008年5月9日収録、2009年9月11日更新、2011年5月1日更新、2012年5月24日更新)


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