現時点の出身国別の外国人留学生数は図録6140参照、都道府県別の外国人留学生数は図録7356参照。外国人留学生の多い大学ランキングは図録3868e参照。 1983年にはわずか1万人だった外国人留学生が最近では約27万人と急増したことが分かる。 近年の動きとしては、学生というより専修学校生や日本語学校生の増加が目立っている。 2011年から17年にかけて外国人留学生は10.3万人増加しているが、その増加のうち、専修学校が3.3万人、日本語教育機関が5.3万人、あわせて8.6万人と多くを占めている。 グローバル戦略として政府は2020年をめどに30万人を目標とする「留学生30万人計画」(2008年)を建てているが、実際の内容はいわゆる「出稼ぎ留学生」が多くなっており、世界的な潮流である「国際化した大学に世界から留学生が集まる時代」にふさわしい動きを示しているとは言い難いという批判を免れない。 2011年から入管難民法の改正で日本語教育機関で学ぶ外国人が留学生としてカウントされるようになった。「他の先進国では語学学校生は別扱いが一般的。日本では、大学等高等教育機関に在籍する外国人留学生の7、8割が、日本語教育機関を経て大学等に進学しており、世界的にも珍しい」(東京新聞大図解「外国人留学生」2018.3.25)とされる。 日本語教育機関を除いた高等教育機関だけの数字を過去から追うと、全体的な増加傾向の中で、@阪神・淡路大震災と地下鉄サリン事件が起こった1995年の翌年から、また、A東日本大震災と福島第一原発事故が起こった2011年から、それぞれ、数年にわたって外国人留学生の数が減少していることが分かる。 この結果、外国人留学生の急増期として、3期、すなわち、@バブル期前後、A2000年代前半、そして最近のB2010年代後半が目立つかたちとなっている。 留学生以外を含んだ外国人数全体の動きを見ると(図録1180)、リーマンショック後の2009年から12年にかけて景気低迷の影響で大きく減少している。これと比較すると、外国人留学生の場合は、景気後退が顕著だった2009年にはむしろ人数が増加しており、景気の影響は比較的受けにくく、むしろ大災害などによる影響の方が大きかったことがうかがえる。 (2018年4月3日収録)
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