原油・天然ガスの価格動向→図録4714 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ここでは、主要穀物である小麦、とうもろこし、コメ(米)、及び大豆かすの国際価格の動きを示した。 2007〜08年の歴史的高騰ののち、2008年9月のリーマン・ブラザーズの破綻を契機とした米国初の世界金融危機と世界的な景気後退の影響で大きく値が下がっていたが、その後、異常気象、新興国需要増大、投機資金の流入などで、再度、食料価格が高騰した。 2012年7月には米国の日照りによりコメ以外の穀物価格が高騰した。大豆かずやトウモロコシは過去最高値を越えた。2008年の穀物価格高騰による世界的混乱の再来が懸念される状況となった。 その後、2014年5〜6月以降には世界的な生産高の上昇と中国経済の成長率ダウンの見込みから穀物価格が下落している。2015年以降、世界市場で、穀物価格だけでなく、貴金属価格、石油価格も下落している。 2020年以降も新型コロナの影響もあり再度穀物価格等が上昇傾向にある。 (以下2008年価格高騰期のコメント) 所得上昇にともなう中国等の途上国飼料需要の拡大を背景に、干ばつ、凶作や米国におけるバイオエタノール需要の急増、投機資金の流入などに影響され、主要穀物がいずれもかつてないほど高騰した。
価格上昇のピークは、小麦は2008年の3月、コメは4月、トウモロコシは6月、大豆は7月であった。 2007〜08年には、世界的な原油や穀物価格の高騰を受け、年度替わりに際して小麦やしょうゆ、食用油、牛乳、バター、ビールなどの食品や国内航空運賃や電気代など各種サービスなどの価格が一斉に引き上げられた。 穀物高騰は、パンや納豆など、これら穀物等の直接の加工食品の他、大豆価格は油脂価格に影響を与え、とうもろこし価格は飼料価格を通じて酪農製品や食肉の価格に影響を与え、多くの食品の価格に及んだ。今回の値上げ局面で、先陣を切ったのは、07年6月、17年ぶりにマヨネーズを値上げしたキユーピーだった。「穀物などの原料と原油の高騰を吸収できなくなった」(同社)のが理由だ(毎日08/3/28)。 パンやめん類の価格上昇を受け、相対的に価格が低下した米(コメ)への見直しが進んでいるといわれる(品目毎の物価上昇は図録4720、朝食はごはんかパンかについては図録0329)。小麦粉並みに粒子を細かくすることに成功し加工性能の向上した米粉をパン、めん等に活用する試みも進んでいるといわれる。 コメの国内価格は安定しているが、国際価格は急騰している。インド、カンボジア、エジプト、ベトナムなどの主要輸出国の輸出規制やミャンマーのサイクロン被害などが市場価格を押し上げたと言われる。図にあるように3月に673ドル/トンだったタイ産米は、4月には1000ドルを越えてしまった。5月以降1000ドルは割ったがなお高値が続いている。 世界的な穀物高騰は、アフリカなど途上国各国で抗議デモ、暴動等の騒乱を引き起こした(以下の表に事例)。 世界をおおう食糧騒乱
(2008年4月3日収録、5月2日更新、5月4日騒乱一覧追加、6月10日更新、6月11日データ出所を農水省からIMFに変更、2008年7/11以後毎月更新、2015年11/9小麦銘柄変更、2018年5月2日データ出所を更新が停止しているIMF一次産品価格データからUNCTADのデータベースに変更、6月7日更新、7月2日更新、大豆かす追加、10月15日更新、11月17日更新、2019年9月16日データベースをIMFに戻して更新、10・31・12/3更新、2020年3/17・4/7・10/4・12/30更新、2021年10月14日更新、2022年4月9日データ出所を更新が停止しているIMFからUNCTADのデータベースに戻して変更、5/11・6/2・7/30・8/13・9/9・10/7更新、2023年2/20・4/29・7/23更新、12月26日データベースをIMFに戻して更新、2024年2/23・5/22更新)
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