2011年7月、女子ワールドカップ(W杯)ドイツ大会の決勝戦で、日本代表の「なでしこジャパン」は優勝の最有力候補であった米国との延長戦を含む激闘の中、2度同点に追いつき、2-2で引き分け、PK戦を3-1で制して初優勝した。国際サッカー連盟(FIFA)主催大会での日本の優勝は男女を通じ史上初めてであった。また、優勝戦で見せた日本女子チームの冷静沈着で果敢な戦いぶりは日本だけでなく世界の人々を驚かせた。

 日本女子チーム「なでしこジャパン」の特徴として、体格での劣勢を個々人の機敏な動きやパスワークの正確性などのチーム力で補った点が指摘された。キャプテンの澤選手が後輩選手に語ったという「苦しいときは私の背中を見なさい」という言葉は、なでしこジャパンのチーム力がどこから来ているかを示している。

 ここでは、体格での劣勢をあらわす身長差を米国との比較で示した。図は、日米両チームの代表選手21名の各人の身長を低い方から並べて比較したものである。明らかに日本女子チームは身長が米国選手より低かった。

 以下の図は、さらに日米にドイツを加えて身長差を比較したものである。日本とドイツの代表選手は身長ばかりでなく体重も公表されているが、米国選手の場合、身長だけで体重は公開されていないようである(少なくともネット上では分からないようだ)。


 背の高さは、低い方から日本選手、米国選手、ドイツ選手となっている。これは、成人女子の平均身長が各国でそれぞれ158.5p、162.2p、166.9pとなっているのとほぼパラレルである(図録2188)。

 ドイツ選手は米国選手よりさらに身長が高い。しかし、痩せているか太っているかを示すBMI指数(体重データがないと算出できない)で見ると、レベル的には、特段、日本選手と差はない(日本選手の方が若干BMIが平準化しているが)。多分、サッカー選手であれば、からだの俊敏性に直結するBMIは最適値からそれほどの上下はあり得ないのである。BMIの国民平均は日本よりドイツの方が大きく凌駕している考えられるが(図録2220参照)、スポーツ選手の場合は差がなくて当然なのであろう。

 図録に掲げた日米選手の名前を図に順番に掲げると、大野忍、岩渕真奈、上尾野辺めぐみ、宮間あや、川澄奈穂美、近賀ゆかり、岩清水梓、鮫島彩、山郷のぞみ、丸山桂里奈、矢野喬子、田中明日菜、澤穂希、安藤梢、福元美穂、阪口夢穂、高瀬愛実、宇津木瑠美、永里優季、海堀あゆみ、熊谷紗希、ロドリゲス、リンゼイ、ビューラー、ミッツ、オハラ、ルペイルベ、オライリー、ランポーン、サウエルブルン、クリーガー、コックス、ヒース、モーガン、ラピノー、ロイド、ボックス、シェニー、ソロ、バナルト、ロイデン、ワンバックである。

(2011年7月25-26日収録)


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