毎日新聞社が1947年から行っている読書世論調査の2019年結果によって、主要男性向けコミック週刊誌をこの1カ月に読んだことのある回答者の割合(読者率)から、性・年齢別の読者層を探ってみよう。参考までに2013年結果も数値なしで掲げた(なお、コロナを機にこの調査は廃止されたので2019年が最終データとなる)。

 取り上げた男性向けコミック誌についての特徴は、週刊少年ジャンプは10代後半〜30代を中心に読者率が3割前後と最も高くなっている。週刊少年マガジン、週刊少年サンデー、週刊モーニングも男性の30代〜40代までが主な読者層である。

 2013年の段階では、ジャンプ→サンデー→マガジン→モーニングの順に若い層から青年層へと読者が移り変わり、読んでいるパーセンテージの水準は低くなっていくというパターンであったが、2019年にかけて、モーニングを除くいずれでも20代以下の読者率が大きく低下し、30代以上の読者率がそれほど変わらないという年齢シフトが起こっている。

 おそらく若年層はスマホでのコミュニケーションやゲームで忙しく、コミック誌そのものが昔若者、今中年の層にシフトしつつある旧来型メディアなのであろう。

 女性向けコミック誌は別に刊行されているので、男性向けコミック誌を読む女性は少ない。ただし、週刊少年ジャンプは10代〜30代の女子にもかなり読まれているという特色がある。

 一般週刊誌のパーセンテージのピークは男性の場合、週刊文春、週刊新潮を読む70歳以上の27%、女性の場合、女性自身を読む70歳以上の30%であるが、これと比較して、コミック週刊誌のパーセンテージのピークは、週刊少年ジャンプの男性10代後半の33%となっている。コミック誌の読書率の高さは、一般週刊誌より高いといえる。2013年には半数近い45%が読んでいたのと比べるとやや低下したとはいえ、若者の3割り程度が読んでいるというデータは、やはり、驚くべき数字ではないだろうか。

 各誌の年齢計の読書率は図録3969h参照。コミック誌以外の週刊誌の読者層については図録3969b参照。また各コミック誌の発行部数については図録3969参照。

(2014年12月24日収録、2018年10月5日更新、2019年11月18日更新、2023年1月25日更新)


[ 本図録と関連するコンテンツ ]



関連図録リスト
分野 教育・文化・スポーツ
テーマ  
情報提供 図書案内
アマゾン検索

 

(ここからの購入による紹介料がサイト支援につながります。是非ご協力下さい)