中高校生についてのNHK調査を見ると、バブル経済が崩壊後の1992年までは小中学生は「何でもないのにイライラすること」がよくあったのに、その後、「失われた20年」と呼ばれる経済低迷期を通して、イライラ度は、むしろ、減じていったことがうかがえる。この時期には、中高校生が「幸せ」になり、また学校生活の「楽しさ」が増したことと平行した変化である(図録2397、図録3856参照)。 NHK調査では男女別の結果が分らないが、次に紹介した小中学生についての内閣府調査、日本スポーツ振興センター調査の結果は男女別に推移が追える。ただし、2006〜14年、あるいは2007〜10年度というそれぞれ限定された2時点の結果しか見れない。日本スポーツ振興センター調査では、小中学生の給食や食生活に関する調査の中で、食と関連して生徒のイライラ度が調べられているものである。 小学生(高学年)は、内閣府調査でも日本スポーツ振興センター調査でも、イライラ度が上昇している。一方、中学生は、内閣府調査ではイライラ度が減じ、日本スポーツ振興センター調査ではイライラ度が上昇している。 なお、男女別には、小学生の段階ではまだ男女差がないか小さいのであるが、中学生の段階ではすでに20代の特徴であるイライラの女性超過(図録2925)があらわれている点で両調査は同じ傾向を示している。 なお、NHK調査の2022年ではイライラ度は再度上昇している。ただし、バブル期ほどの高さまでは上昇していない。 (2015年6月22日収録、2023年9月1日更新)
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