女性の教師の比率が多くなったと考えていたが(図録2710参照)、世界と比較すると日本の女性教師比率は実はかなり低い方であることがOECDの報告書からうかがえる。

 対象とした学校は小学校(初等教育)であるが、中学校をとっても全体に女性教師比率は下がるが同じ傾向である。


 上図では、教育段階別に日本とOECD平均の女性教師比率を示した。幼稚園の先生はどの国でも女性比率が高く、OECD諸国平均では、小学校、中学校、高校とだいたい8割、7割、6割と徐々に低下するのに対して、日本の場合は、64%、43%、31%と急に低下し、その後、横ばい化する点に特徴がある。

 学校の先生に女性が多いのが世界共通の傾向なのは、教育とはいえ子どもを扱う職業なので看護師などと同様にケア職業的な性格を有しているからであろう。

 比較対象となっている43カ国の中で男性教師がほぼ半数の国はインドだけである。日本の女性教師比率はインド、サウジアラビア、トルコに次いで低い。その他、中国、インドネシア、メキシコなど途上国で女性教師比率は低い。

 日本や途上国において教師の女性比率が相対的に低いのは、以下の要因が考えられる。
  • 途上国では教師はケア職業というより先進国の知識を導入するインテリ職業の性格が強い
  • 女性差別
  • 教育を特別に重んじる儒教の考え方の影響
 ただし、そう考えるとすると、韓国が日本ほど女性教師比率が低くないのが不思議である。

 ロシア、リトアニア、ハンガリーでは女性教師比率が96〜99%と世界の中でも最も高くなっている。ロシア・東欧諸国は概して女性教師比率が高くなっている。

 日本は、いわゆる先進国(OECD諸国)の中では最も女性教師比率が低い。先進国の中で日本と並んで女性教師比率が低いのが目立つはデンマークである。その他、ノルウェー、フィンランド、スウェーデンなど北欧諸国は先進国の中では比較的女性教師比率が低くなっている。

 関連して、男性教師の比率が高い都道府県はどこかを図録7315に示したので参照されたい。

 なお、女医比率でも日本はOECD諸国の中で最低となっており、女性教師の相対的な少なさと同じ背景が考えられよう(図録1930a)。

 比較対象となっている国はOECD諸国、およびその他G20諸国のパートナー諸国のうちデータが得られる43カ国であり、具体的には、女性比率の高い順に、ロシア、リトアニア、ハンガリー、イタリア、チェコ、ラトビア、オーストリア、エストニア、スロバキア、スロベニア、ブラジル、オランダ、ドイツ、米国、英国、イスラエル、アイルランド、ニュージーランド、スイス、フランス、ポーランド、アイスランド、ベルギー、スウェーデン、ポルトガル、チリ、フィンランド、コスタリカ、韓国、コロンビア、スペイン、ルクセンブルク、カナダ、ノルウェー、ギリシャ、メキシコ、インドネシア、デンマーク、中国、日本、トルコ、サウジアラビア、インドである。

(2009年1月28日収録。2013年8月15日更新、2018年2月8日更新、2020年12月14日更新)


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