対象は非ヒスパニック系白人2.0億人、黒人3,900万人、ヒスパニック系5,000万人である。 非ヒスパニック系白人の人口ピラミッドは、日本ほどでないが末すぼまりであり、これまでの長期的な出生率の低下傾向を反映した形となっている。人口ピーク年齢(ベビーブーマー)が異なるものの日本とそう変わらない格好である。 黒人の人口ピーク年齢は15〜19歳(2010年当時)である。人口ピラミッドのかたちは、基本的には末広がりであるが、近年の出生率のかなりの低下を反映して、15歳未満人口はぐっと減っている(黒人の出生率の低下については図録8650参照)。 ヒスパニックの人口ピラミッドは、非ヒスパニック系白人や黒人と大いに異なっている。男性が多い(特に20歳代)、若い層が多いという際立った特徴がある。男女とも人口ピーク年齢は0〜4歳であり、小さなこどもが多いのも特徴である。ヒスパニックは移民としての流入が人口構成に大きな影響を与えている点が、非ヒスパニック系白人や黒人と異なる最大の要因である。出生率が非ヒスパニック系白人や黒人に比較して高い点もこどもが多い原因となっている。 年齢別の性比(男÷女)を見るとヒスパニックは、20歳代、30歳代で男性が1割以上多くなっており、移民流入人口は男性の方が多いことを反映していると考えられる。 黒人は10歳代後半から20歳代にかけて性比が急速に低下しているのが目立つ。この年齢層で男性の死亡率が女性に比して高かったためと考えられる。 人種、民族を問わず、高齢者層では性比が傾向的に低下しており、高齢者層における死亡率の男女差(平均寿命の男女差)をあらわしている(図録1670参照)。 最後に下に最新の推計人口から年齢別の人種・民族構成を示した図を掲げた。これを見るとついに5歳未満層で非ヒスパニック系白人の割合が5割を切った点が注目される。マイノリティの合計特殊出生率は低下して非ヒスパニック系白人に近づいているが(図録8650)、母数であるマイノリティの母親が多くなっているのでこうした結果が生じているのである。将来的に米国は従来の白人国ではなくなることが如実に示されているといえる。 (2005年11月9日収録、2015年4月6日更新、2016年6月26日日年齢別ヒスパニック白人・マイノリティ比率)
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