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中国各地域(直轄市・省・自治区)の人口と経済規模(GDP)をグラフにした。参考のために中国各地域と人口やGDPの規模で匹敵する国や地域も同時に赤・ピンクでプロットした。
人口規模では河南省が最も大きく、山東省、広東省がいずれも9千300万人台で続いている。この3省に次いで四川省が8千万人台、江蘇省が7千万人台で続いている。最小地域はチベット自治区の281万人であり、地域間の規模は大きく異なる。
経済規模では広東省が3千億ドル台で最も大きく、2千億ドル台の山東省、江蘇省がこれに続いている。
人口規模が大きいほど経済規模も大きいという傾向が当然成り立っているが、北京市、上海市、浙江省、江蘇省、広東省と続く沿海地域のラインと比べ、甘粛省、湖北省、河北省、四川省、河南省へと続く内陸地域のラインとではラインの傾き、すなわち人口1人当たりのGDPの水準がかなり異なっており、この図からは経済の地域格差の状況も見てとることができる(図録 8500、図録 8520参照)。
人口規模、経済規模で匹敵する国・地域と比較すると、河北省、四川省、河南省などでは、エジプト、フィリピン、ベトナムに匹敵する規模を有しており、各省が一国レベルの人口・経済を有している点が印象的である。
浙江省、江蘇省はアルゼンチン、タイ、イランのレベル、貴州省、雲南省などはスーダンのレベル、上海市、北京市は市であるけれどもハンガリーやチリといった国のレベルに匹敵している。
中国一国内には、事実上、様々なレベル、様々な発展段階の国・地域が多く含まれている状況にあるといえよう。(中国地域別主要作物図を図録 0430に付したがこれを見ても中国各地域の多様性がうかがえる。)
香港、台湾はそれほど大きくないが、人口規模との相対関係では経済規模が中国各地域を大きく凌駕している。
原データ
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人口(万人) |
GDP(億ドル) |
1人当たり
GDP(ドル) |
北京市 |
1,581 |
987 |
6,329 |
天津市 |
1,075 |
547 |
5,163 |
河北省 |
6,898 |
1,462 |
2,127 |
山西省 |
3,375 |
596 |
1,771 |
内モンゴル自治区 |
2,397 |
601 |
2,515 |
遼寧省 |
4,271 |
1,160 |
2,733 |
吉林省 |
2,723 |
536 |
1,972 |
黒竜江省 |
3,823 |
776 |
2,031 |
上海市 |
1,815 |
1,300 |
7,236 |
江蘇省 |
7,550 |
2,715 |
3,614 |
浙江省 |
4,980 |
1,974 |
3,998 |
安徽省 |
6,110 |
771 |
1,261 |
福建省 |
3,558 |
955 |
2,693 |
江西省 |
4,339 |
586 |
1,354 |
山東省 |
9,309 |
2,769 |
2,984 |
河南省 |
9,392 |
1,567 |
1,670 |
湖北省 |
5,693 |
951 |
1,668 |
湖南省 |
6,342 |
949 |
1,499 |
広東省 |
9,304 |
3,286 |
3,553 |
広西壮族自治区 |
4,719 |
606 |
1,291 |
海南省 |
836 |
132 |
1,587 |
重慶市 |
2,808 |
438 |
1,562 |
四川省 |
8,169 |
1,083 |
1,323 |
貴州省 |
3,757 |
286 |
726 |
雲南省 |
4,483 |
503 |
1,125 |
チベット自治区 |
281 |
36 |
1,308 |
陜西省 |
3,735 |
567 |
1,522 |
甘粛省 |
2,606 |
286 |
1,098 |
青海省 |
548 |
80 |
1,475 |
寧夏回族自治区 |
604 |
89 |
1,486 |
新疆ウイグル自治区 |
2,050 |
382 |
1,881 |
フィリピン |
8,626 |
1,176 |
1,363 |
ベトナム |
8,411 |
610 |
725 |
エジプト |
7,417 |
1,075 |
1,449 |
トルコ |
7,298 |
4,027 |
5,518 |
イラン |
7,010 |
2,179 |
3,108 |
タイ |
6,344 |
2,063 |
3,252 |
アルゼンチン |
3,913 |
2,142 |
5,475 |
スーダン |
3,771 |
374 |
993 |
ペルー |
2,759 |
924 |
3,350 |
マレーシア |
2,611 |
1,507 |
5,770 |
台湾 |
2,288 |
3,644 |
15,928 |
チリ |
1,643 |
1,458 |
8,875 |
ハンガリー |
1,007 |
1,129 |
11,217 |
香港 |
686 |
1,898 |
27,679 |
シンガポール |
448 |
1,322 |
29,474 |
グアテマラ |
1,303 |
353 |
2,711 |
(注)(資料)図と同じ
【コラム】省の起源
中国の地方行政体である「省」は、元の時代に遡るという。「従来の皇帝政治では、中央政府の下に地方衙門(がもん)が隷属する形式で、両者は全然名称を異にするものであった。然るに元代は中央に中書省があって黄河以北の広大な領域を直轄し、それ以外の十個所に中央と全く同じ行中書省を置き、中央と匹敵するほどの広大な地域を支配した。行とは出張所の意味であり、行中書省を略し行省、更には単に省と言い、それが同時にその地方行政区分の名ともなった。これが現今まで続いている省名の由来である。元代の行省名で現今まで残っているのは、河南、陜西、甘粛、江西、四川、雲南の六省であるが、概ね現在の各省よりも広く、中には二倍ほどのものさえある。」(宮崎市定「中国史」1983年) |
(2008年6月2日収録、6月6日原データ掲載、2012年1月10日コラム追加)
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