国内旅行支出額は国籍別に韓国が8.1万円と最も低く、これに台湾、香港、カナダ、マレーシア、タイ、米国、ドイツ、英国、シンガポール、オーストラリア、中国、インド、ロシア、フランスと続いている。最も多く費やすフランス人の訪日客は23.3万円を日本滞在中に支出している。 旅行にはパッケージツアーに参加する形での旅行と個人的に旅券や宿泊場所を手配して行う自前旅行とがある。 パッケージツアーで旅行する者が多いか、自ら航空券を購入し、ホテルを予約する自前旅行の者が多いかは、国によって以下のように大きく異なる。台湾、香港、中国、シンガポールといった中華系の諸国はパッケージツアーが4割〜6割と多く、欧米は1割前後以下とほとんど自前旅行である。日本への旅行に慣れている韓国、及び英語圏の性格をもつタイ、マレーシア、インドでは、中華系と比べるとパッケージツアーの比率は3割台以下と低い。 上記の国内支出額は、自前旅行における渡航費(往復運賃)以外の支出とパッケージツアーにおける同等部分の支出の合計値から1人当たりの額として推計されている額である。なお、渡航費と国内支出額、及び両者の関係については図録7218fを参照。
国内支出額は、宿泊費、飲食費、交通費、娯楽サービス費、買物代、その他からなっている。各費用が多い国を掲げると以下の通りである。 国内支出額の多い国
宿泊費はインド人や英国人の支出が多く、宿泊場所にこだわっている様子がうかがえる。飲食費はフランス人、ロシア人が多い。フランス人、ロシア人はホテルよりは、まずは食い物のようである。娯楽サービス費はフランス人と中国人が多い(中身については図録7219参照)。買物代はそれだけの棒グラフを作成しておいた。
訪日中消費額のうちのお土産などの買物代だけを見てみると、中国人の消費額の規模が8.7万円と格段に大きく、ロシア、フランスを除く欧米からの訪日客の消費額が2〜3万円前後と小さいのと対照的である。中国人ほどではないが、韓国人を除くその他のアジア人も欧米人より買物代は多くなっている。韓国人の買物額が小さいのは、来慣れているせいか、ウォン安のせいであろう。 平均的な所得水準ではなお欧米と比較すると低い中国からの訪日客の買物代の大きさはやはり印象的である。日本を訪れている中国人観光客には富裕層が多いという側面と中国人全体が消費ブームに沸いているという側面が影響していると考えられる(コラム参照)。 参考までに同資料から全体と中国人の買物代の内訳を以下に示した。カメラ・家電製品、あるいは化粧品・医薬品への支出が非常に多いことが分かる。 同じ資料からさらに各国の訪日外国人の消費内容について図録7219で詳しくふれている。
(2009年10月23日収録、2010年8月26日・27日更新・データ源変更、2011年2月26日コラム追加、3月1日コラムのコメント追加、4月19日四半期から年間ベースに更新)
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