国会議員の女性比率(女性議員比率)についてOECD諸国間で比較した図を掲げた。女性閣僚の比率の国際比較については図録5238d参照。

 日本の比率はOECD35か国(リトアニアが2018年7月5日に加盟する以前の全数)中最下位となっている。

 日本と同様に女性議員比率の低いのは、低い順にハンガリー、ラトビア、韓国、トルコ、ギリシャ、米国となっている。米国を除くと途上国的な性格を残した国が多い。

 逆に、女性議員比率が高いのは、最も高いメキシコを除くと、スウェーデン、フィンランド、ノルウェーといった北欧諸国が目立っている。

 これらに次ぐ第5位はフランスであるが、フランスは少し前には欧米諸国の中でも女性議員比率の低い国として目立っていたので、この点で大きな変化が生じたといえる(2011年段階の女性議員比率の国際比較を掲げた図録5238参照)。

 フランスでは、2000年に画期的なパリテ(平等)法が成立した。この法律は国民議会選挙に関し、党候補者名簿に登載する男女の候補者数の差を 2%以下とするよう求めている。しかし、地方選挙と異なり国政選挙が小選挙区制であることも影響してこのクオータ要件に従わずに罰金の支払いを選ぶ政党も多く、女性議員は徐々にしか増えなかった 。

 ところが、2017年選挙ではこうした状況が大きく打ち破られた。国民議会 (下院)に占める女性議員の比率が前回選挙から12%ポイント増の38.6%とフランス史上最高となったのである。これは、エマニ ュエル・マクロン大統領の与党「共和国前進」が男女同数 の候補者名簿を発表し、「勝算のある」選挙区に女性候補を指名するという判断をしたからであり、この結果、同党では、当選者に占める女性の比率も47% と全政党中最高となったのである(Inter-Parliamentary Union 「議会における女性 2017 :年間レビュー」)。

 図を見ると、2011〜18年に、フランスだけでなく、メキシコ、イタリア、英国、ポーランドといった多くの国で女性議員比率が激増している点が目立っている。

 図では選挙における女性候補者クオータ制の法制度が制定されている国を示しており、その数は35か国中10か国に及んでいる。女性議員比率が激増した国には、メキシコ、フランスなどこうした制度を制定している国が多い。もっともイタリア、英国のようにそうした制度がなくても女性議員比率が大きく上昇した国もあれば、クオータ制があってもギリシャ、韓国のようになお低い女性議員比率に止まっている国もある。

 日本でも、「日本版パリテ法」とも呼ばれる「政治分野における男女共同参画推進法」(候補者男女均等法)が2018年5月に施行された。ただし、政党に男女均等の候補者擁立を求める理念法であって強制力はない。

 産経新聞(2019.7.4)によれば、同法成立後、初めての国政選挙となる2019年7月の参院選で候補者に女性が占める割合は過去最高の28.1%となった。ただ、主要7政党のうち「ほぼ均等」となったのは共産、立憲民主両党にとどまった(それぞれ、55.0%、45.2%)。女性の割合が特に低かった自民、公明両党は同法成立前の前回参院選よりも減らした(今回、それぞれ、14.6%、8.3%)。同紙によれば「法律を作った当事者である多くの政党が法律の趣旨を守らない異常な事態となった」のである。

 取り上げた国を図の順に掲げると、メキシコ、スウェーデン、フィンランド、ノルウェー、フランス、スペイン、ニュージーランド、アイスランド、ベルギー、デンマーク、オランダ、イタリア、ポルトガル、オーストリア、スイス、英国、ドイツ、オーストラリア、ルクセンブルク、ポーランド、イスラエル、カナダ、エストニア、スロベニア、チリ、アイルランド、チェコ、スロバキア、米国、ギリシャ、トルコ、韓国、ラトビア、ハンガリー、日本である。

(2019年7月9日収録)


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