日本は女性議員の比率は上昇してきているが(図録2710)、世界の中では、かなり低い方に属する。 英国エコノミスト誌は経済指標ページのトピックスでこれと同様のグラフを掲載し以下のようにコメントしている。 「1893年、ニュージーランドは世界で初めてすべての成人女性に投票権を与えた。しかし、女性に被投票権が許されたのは1919年になってからだった。今日、ほとんどの国で男女双方に被選挙権が与えられている。Inter-Parliamentary Unionによると、世界の国会議員にしめる女性の割合は5分の1以下にすぎない。ルワンダが世界の中で過半数の議席が女性で占められている唯一の国である。この国では80議席のうち24議席が女性特別枠である。しかし、前回の2008年選挙で男女が自由に競争しながら女性はさらに21議席を得たのである。これとは対照的にイランの下院マジュレス(majlis)では290議席中女性は8議席を占めているにすぎない。」(The Economist March 12th 2011) 図を見れば分かるとおり、近代民主主義の祖国ともいうべきフランスや米国も日本や韓国と同様、世界平均以下である。また、女性比率はスウェーデンやドイツなどのヨーロッパ先進国では高いが、人口の10分の1以上に達する大量虐殺(1994年)を経て尋常ならざる国づくりを迫られたルワンダだけでなく、南アフリカやイラクといった必ずしも政情が安定していない途上国でも高くなっている。政治における女性の役割の増大が社会進歩をあらわしていると単純にはいえない。 (2011年6月2日収録)
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