国別の戦死者数については、ソ連の1450万人が図抜けて多く、ドイツの280万人、日本の230万人がこれに次いで多くなっている。中国が130万人、そして中東欧のオーストリア、ポーランド、ルーマニアも、それぞれ40〜85万人と多い。 英国、フランス、イタリア、米国は、20万人台であるが、米国が29万人とそのなかでは最も多い。 民間人の死者数では、中国、ソ連、ポーランドで600〜1000万人と犠牲者が多く、ドイツが230万人で続いている。日本80万人の他、オランダ、チェコスロバキア、ルーマニアなども、英国、フランス、イタリアを上回る民間人犠牲者を出している。 日本、ドイツ、オーストリア、チェコなどで、「もし戦争が起こったら国のために戦うか」という問いに対して、「はい」と答える者が相対的に少ない背景には、これらの国の戦争犠牲者の多さが反映していると考えられる(図録5223参照)。 日本について、国内・海外の別に数字を示すと以下の通りである。各地における民間人の空襲被害については図録5226e、図録5226d参照。
全戦没者310万人のうち1944年以降の戦没者は281万人にのぼり、91%が戦争末期に犠牲となっている(吉田裕「日本軍兵士」中央公論、2017年−東京新聞大図解「戦没者データでみる太平洋戦争」2021.8.15)。 軍人・軍属の戦死者230万人のうち、餓死やマラリアなどによる病死が140万人、60.1%にのぼるとされている(藤原彰「飢死した英霊たち」青木書店、2001年−東京新聞同上)。 航空特攻による死者は約4000人、ただし特攻機の命中率11%と高くなかった(東京新聞同上)。航空機による特攻を「航空特攻」と呼ぶが、その他、回天(人間魚雷)や震洋(小型ボート)のような特攻兵器による「水中特攻」「水上特攻」があった。私の亡父は一期前までが出陣した回天特攻隊の生き残りである。 国内で唯一地上戦が行われた沖縄戦の戦没者の内訳は以下の通りである。戦没者の約半数は一般の沖縄県民だった。 なお、アジア太平洋戦争におけるアジアの犠牲者数、及び日本の戦没者の地域別のデータについては、図録5225に、空襲被害の日欧比較は図録5227bに掲げた。 参考までに、第二次世界大戦以後も戦死者を多く出している米国の主な戦争別の戦死者数を以下の表に掲げた。内戦である南北戦争における戦死者が如何に多かったかがうかがえる。
(2006年9月4日収録、2015年8月14日「日本人の犠牲者」表追加、2018年6月24日沖縄戦戦没者数グラフ、2021年8月15日餓死や病死、特攻犠牲者)
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