4年に1度のラグビーの祭典、ラグビーの第9回ワールドカップ(W杯)が2019年9月20日から日本で開催された。日本ラグビー協会が2003年から招致活動に取り組んだ結果、2009年にラグビー人気の世界化のためアジアで初、ラグビー伝統国以外で初の日本における開催が決まったものである。優勝はベスト8のトーナメント初戦で日本が敗れた南アフリカだった。2位は準決勝でニュージーランドを破ったイングランドであった。

ラグビーワールドカップ各大会優勝・2位国
決勝会場国 優勝 2位
第1回
(1987年)
ニュージーランド ニュージーランド フランス
第2回
(1991年)
イングランド オーストラリア イングランド
第3回
(1995年)
南アフリカ 南アフリカ ニュージーランド
第4回
(1999年)
ウェールズ オーストラリア フランス
第5回
(2003年)
オーストラリア イングランド オーストラリア
第6回
(2007年)
フランス 南アフリカ イングランド
第7回
(2011年)
ニュージーランド ニュージーランド フランス
第8回
(2015年)
イングランド ニュージーランド オーストラリア
第9回
(2019年)
日本 南アフリカ イングランド
第10回
(2023年)
フランス    

 ここでは、ラグビーの国際組織であるワールドラグビー(World Rugby)により、ラグビーの競技人口4万人以上の上位16位の国々の競技人口と W杯開幕直前の世界ランキングを掲げた(参考にそれ以下の主要国も掲げた)。

 第6回大会、第8回大会開催時の競技人口・世界ランキングは旧図録3989bx参照。今回大会における日本の対戦相手との体格差については図録3680参照。

 ラグビーはサッカーと同様ストリートフットボールから誕生したと言われる。伝説では1823年に、英国イングランドのパブリックスクールであるラグビー校でエリス少年がフットボールの試合中にボールをもって走り出したのが起源。

 ラグビーの起源となったイングランドの競技人口は35.5万人と南アフリカ63.5万人に次ぐ世界2位である。世界の競技人口は350万人なので約1割を占める。競技人口にラグビー協会登録選手数以外を含めるとイングランドは211万人と南アフリカの69万人を大きく上回っている。

 なお、英国ではイングランド以外にラグビー協会が別のウェールズやスコットランドが別個の競技人口として掲げられているので注意。英国統治下の1879年に全島で設立されたアイルランド・ラグビー協会は、現在も北アイルランドを含むエリアのラグビー協会である(毎日新聞2019.8.22)。

 図録3989a(興味・関心のあるスポーツの主要国比較)でも英国は6位にラグビーが顔を出しており、主要国の中で10位以内にラグビーが入っているのは英国のみである。

 競技人口第3位はオーストラリアの27万人、第4位はフランスの26万人となっている。日本は10.9万人で第11位である。

 米国ではラグビー人気が高まっており、プロラグビーが2016年から米国で初めてスタートしている。競技人口は第6位の13万人である。米国事情は旧図録3989bx参照

 世界ランキングは必ずしも競技人口には比例していない。競技人口13位のアイルランドが第1位であり、競技人口5位のニュージーランドが第2位であり、競技人口12位のウェールズが第5位である。競技人口1位の南アフリカは4位に過ぎない。日本は現在世界ランキング10位と競技人口の11位をやや上回っている。

 下には、国際共同調査のISSP調査の回答結果から見たラグビー愛好度のランキングである。するスポーツ、見るスポーツの両面で、トップはニュージーランド、2位は南アフリカとなっている。ラグビーのふるさとイングランドを含む英国は、するスポーツとしては4位、見るスポーツとしては6位となっている。日本も見るスポーツとしては比率は低いが8位となっている。

 するスポーツ、見るスポーツの両面で国別のラグビーの愛好度、普及度の違いはかなり大きいことが図からうかがえる。

【コラム】ラグビーW杯の代表資格(主に毎日新聞2019.8.21による)

 代表資格に関しては、オリンピックなどの「国籍主義」に対してラグビーは「所属協会主義」といわれる。アイルランドの代表選手は、エリアとして北アイルランドを含むアイルランド・ラグビー協会の代表選手なのである。

 ラグビー日本代表に海外出身者が多い点が目立っているが(図録3680参照)、これは国際統括団体「ワールドラグビー」が規定する代表資格が以下のようであるためである。
  • 当該国・地域で出生
  • 両親か祖父母のうち1人が当該国・地域で出生
  • プレー直前に当該国・地域で3年間継続して居住、または通算で10年間居住
 ※国際統括団体「ワールドラグビー」が規定。他国・地域の代表歴がなく、上記の条件を一つでも満たせば資格を得られる。継続居住期間は2020年12月31日から5年間に延長

 毎日新聞によれば、ラグビーの代表資格の状況とそうなった経緯は以下である。

「北海道・網走市で合宿中の日本代表41選手のうち、約4割は海外出身だ。NZやトンガ、南アフリカなど7カ国17人の多彩な顔ぶれでリーチら9人は日本国籍を取得している。ただし、日本だけが突出して海外出身選手の割合が多いわけではない。前回2015年W杯イングランド大会では登録メンバー31人のうち、日本の海外出身選手は10人。最多のサモアは13人で、ウェールズ、スコットランド、トンガも他の国や地域で生まれた選手が12人いた。

 五輪とは異なり国籍を代表資格の必須条件としないのは、ラグビーの母国・英国の過去の植民地政策が影響しているとされる。オーストラリアなどの植民地で生まれた選手に対し、英国に居住すればイングランドなどの代表を目指せるよう門戸を開いたことが起源という。帝国主義時代の遺産が、現在の「協会主義」と呼ばれる多様性を担保するルールにつながっているとの見方もある」。

 あるいは英国出身選手に有利になるようなルールだったからという説もある。「一説には英国で発祥した競技が世界に普及していく中、英国の選手が移住先で代表になれるように認めたことが始まりとされる」(東京新聞2019.8.30)。

 なお、対象となっている国・地域を競技人口の多い順に掲げると南アフリカ、イングランド、オーストラリア、フランス、ニュージーランド、米国、フィジー、ケニヤ、アルゼンチン、中国、日本、ウェールズ、アイルランド、イタリア、スリランカ、スコットランド、トンガ、ドイツ、サモア、ジョージアである。

(2007年7月17日収録、2015年7月11日ISSP調査結果付加、9月21日更新、9月23日組織名変更反映、2016年6月17日米国事情、2019年8月18日更新、旧図録3989bxへ、8月24日コラム、8月30日コラム補訂、9月23日ランキング更新、9月24日W杯参加国のロシア、ウルグアイ、カナダ、ナミビア追加、過去大会優勝国、9月26日コラムコメント補訂、11月2日更新)


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