文化庁が実施した国語に関する世論調査では、日本語へのメディアの影響という観点から、「毎日の生活に必要な情報を何から得ているか」を調べている。これをもとに情報源としてのテレビ・新聞・インターネット等の状況を図録にした。 「情報源として欠かせない」かと少し質問は異なるが最近までの推移が分かる図を図録3961dに掲げたので参照されたい。 2015年度(調査は2009年〜3月)における3つまでの複数回答結果を見ると、テレビから情報を得ている者が85.9%と最も多く、新聞が67.7%で続いている。 第3位は携帯電話(スマホを含む)であり、41.9%の回答率となっている。 さらに、パソコン、ラジオ、雑誌、ちらしビラが続いている。 2001年度からの推移は、テレビがあまり変わらず、新聞や雑誌が減、インターネットがパソコンから携帯電話へと媒体をシフトさせながら大きく増加している。 年齢別の特徴については、テレビは年齢によらず高い割合であることが目立っており、新聞は情報源としての位置づけが若者で低く、高齢者で高いという対照的な結果となっている。携帯電話(今はスマホが主力であるのでインターネットと表示)は10代〜30代で情報源として活用している者が70%以上と高くなっており50代以上の4割以下とは大きく異なっている。 2001年度から15年度にかけての14年間の変化を見ると、インターネットや携帯電話の情報源としての位置づけが大きく躍進し、その反面、その他メディアの情報源としての役割が低下している。特に新聞の情報源としての役割が10〜30代で大きく低下している。この結果、若者を中心にテレビに次ぐ主要情報源としての役割が新聞とインターネットで逆転している。 この逆転が目で見えるように上の図を組み替えて表示した図を以下に掲げる。インターネットやスマホが若年層の主要メディアとなり、新聞は高齢者のメディアとなっているのである。2015年度には40代は両方が相半ばしていたが、今では、分岐点年齢はもっと上昇していると考えられる。 こうした変化は全世界的に進行している。情報源としてのテレビ・新聞・インターネットの国際比較については、図録3962参照。米国では若い層だけでなく国民全体でも新聞とインターネットが逆転している。 (2009年9月8日収録、2020年11月12日更新)
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