OECDの報告書からOECD諸国を中心に世界35カ国の日刊新聞購読部数とジャーナリスト人数をグラフにした(同じ資料による日刊紙読者率の国際比較は図録3958参照、広告収入比率の国際比較については図録5652参照)。

 日刊紙の購読部数は日本は51万部で最も多く、米国の49万部が続いている。第3位はずっと少なく、ドイツの20万部である。

(注)発行部数(Circulation)と販売部数・購読部数(paid circulation)は異なっている。何故なら新聞は読者にただで配ったり、大きくディスカウントして売られたりするからである。報告書によれば、印刷発行部数のうち4分の1以上が非売紙のフランスなどでは単なる発行部数で読者への到達部数を測ることはできないとされる。また広告収入を増やすために発行部数が過大に発表されていると疑われる場合もあった(米国、韓国等)。世界新聞協会(WAN)は各国の新聞協会から報告を受けたデータを取りまとめているが、各国新聞協会が集めている数字の性格、新聞協会の国内紙へのカバー率などが異なるので厳密な各国比較は困難であるとされる。

 報告書によれば、日本は購読部数世界トップ10紙のうち5紙を占めている。読売新聞は約1000万部の日刊発行部数を有している。日本の新聞紙を除いたOECD諸国の部数の多い新聞は以下である。ビルト紙Bild(ドイツ)310万部、サンThe Sun(英国)300万部、朝鮮日報(韓国)230万部、USA Today(米国)230万部、中央日報(韓国)220万部などである。世界のトップ100紙ということでは、中国が25紙、インドが20紙、日本が16紙とアジアの人口大国が多くを占め、英国と米国は両方7紙である。

 米国の主要新聞の発行部数については図録8754コラム参照。

 人口1000人当たりであると、日本が526部と一番多く、ノルウェー、フィンランドなど北欧諸国が続いている。

人口1000人当たり日刊新聞購読部数
日平均 日平均
日本 526 カナダ 129
ノルウェー 458 フランス 122
フィンランド 400 オーストラリア 116
スウェーデン 362 スペイン 90
スイス 292 イタリア 90
米国 160    

 ジャーナリストの数では、米国が5.5万人と圧倒的に多く、日本2.1万人、ドイツ1.5万人、英国1.2万人と続いている。報告書によれば、データの得られる2006〜07年頃までにはOECD諸国のジャーナリストの数は目立って減ってはいない。しかし、例外としてはオランダと英国があげられ、両国では既に経済危機以前にジャーナリスト人数が大きく減っているという。

 購読部数のデータは30カ国、多い順に、日本、米国、ドイツ、英国、韓国、フランス、イタリア、トルコ、メキシコ、カナダ、スペイン、ポーランド、オランダ、スウェーデン、オーストラリア、オーストリア、スイス、ノルウェー、フィンランド、チェコ、ベルギー、ハンガリー、ギリシャ、デンマーク、アイルランド、ニュージーランド、ポルトガル、スロバキア、ルクセンブルク、アイスランドである。ジャーナリスト人数はこのうち18カ国が対象である。

(2010年9月2日収録)


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