OECDでは世界の15歳児童(高1)を対象に学力(学習到達度)に関して実際にテストを行う調査を3年ごとに行っている。このPISA(Programme for International Student Assessment)調査の各年の得点順位は図録3940に掲げた。

 ここでは、このPISA調査の2018年結果から、読解力の問題の得点の分散(平均からの乖離の二乗の平均でばらつき、学力格差を表す)を図示した。分散度は学校間と学校内に分け、学校間の分散の大きい順に国を並べてある。全体の分散はカッコ内に記した。

 2006年調査の科学得点における学校間・学校内の学力格差については図録3941参照。

 全体の学力格差(分散)については日本は97とOECD平均(100)よりやや小さい。OECD主要国の中では米国やドイツ、英国、韓国などより小さいが、フランス、イタリアよりは大きい。また、成績上位国の中では、最も格差の小さな成績トップの中国(4市省)や3位のマカオよりは大きいが、2位のシンガポール、4位の香港よりは小さい。

 学校間の得点の分散(格差)が大きいのは、ドイツ、イタリア、日本などであり、逆に小さいのは、ノルウェー、フィンランドなどの北欧諸国やカナダ、ニュージーランドなどである。

 学校内の分散は、概して、学校間の分散が小さいほど大きいという傾向が認められる。また北欧諸国や英米、ニュージーランド、オーストラリアといった英語圏の諸国は特に学校内の分散が大きい。

 学校内の学力差が大きいと学力差にあわせた対応のため先生の数も多く必要と考えられる。日本の場合先生が少ないから学校間の格差を大きくせざるを得ないということも考えられる。教育改革のためには多面的な検討が必要であると考えられる。

 なお、図で取り上げた対象国は22カ国であり、学校間分散の大きい順に、ドイツ、イタリア、日本、シンガポール、香港、北京・上海・江蘇・浙江、台湾、韓国、フランス、マカオ、オーストラリア、米国、英国、スウェーデン、ポーランド、エストニア、ニュージーランド、カナダ、デンマーク、アイルランド、ノルウェー、フィンランドである。

(2020年5月18日収録)


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