ここでは、日本人の好きな音楽家・画家・作家、及び歴史上の人物について自由回答の結果によるランキングをかかげた。資料はNHK放送文化研究所世論調査部「日本人の好きなもの」(2008年)である。あらかじめ選択肢として用意されたものから選ぶのでなく、自ら答えを記すため回答率の水準は選択回答結果と比べ全体に低くなっている。 好きな音楽家ベスト10はランクの高い順位に、モーツァルト、ベートーベン、ショパン、バッハ、シューベルト、古賀政男、葉加瀬太郎、チャイコフスキー、坂本龍一、小澤征爾である。 好きな画家(美術家・アーチスト)ベスト10はランクの高い順位に、ゴッホ、ピカソ、モネ、岡本太郎、レオナルド・ダ・ビンチ、ルノアール、横山大観、ラッセン、東山魁夷、平山郁夫である。 好きな作家ベスト10はランクの高い順位に、司馬遼太郎、松本清張、夏目漱石、西村京太郎、赤川次郎、五木寛之、藤沢周平、宮部みゆき、山崎豊子、渡辺淳一である。 心に残った作家を調べた毎日新聞の読書世論調査の結果は図録3926に掲げたので参照されたい。 好きな歴史上の人物ベスト10はランクの高い順位に、織田信長、徳川家康、坂本龍馬、豊臣秀吉、聖徳太子、武田信玄、源義経、西郷隆盛、福沢諭吉、野口英世である。 好きな歴史上の人物について男女年齢別に3位まで掲げると以下の通りである。男女とも若年層から中年層までは織田信長と坂本龍馬の人気は絶大であるが、高年層では男女とも、徳川家康の人気がトップであり、坂本龍馬も3位までには入らない。世代的な見方の差と年齢を加えることによる見方の差の両面があると見られるが、多分、前者の要因が主であろう。
また、豊臣秀吉は60歳以上の男でのみ3位にエントリーしている。かつての秀吉人気の高さを忍ばせる。永井路子「王者の妻」の大矢博子による朝日文庫版解説では次のように記されている。明国を破ることができると思ったり、主君信長の遺児を冷遇しておきながら自分の息子をくれぐれも頼むと遺言する晩年の秀吉について「おねねは言う。「正気の沙汰とは思えませぬ」と。令和の今でこそ、晩年の秀吉については否定的に描くドラマや小説が多いが、本書が書かれた昭和40年代は、今より秀吉人気が高かった。明るくて、誰からも好かれる人たらしで、才覚で貧農から天下人まで上り詰めたという出世譚が、高度成長期の日本に丁度よくはまったのだ。戦中までは徳川を倒した明治政府の流れを汲んだ教育だったため、徳川と敵対した豊臣を持ち上げる風潮もあった」。 都道府県別の「自県を代表する歴史上の人物は」という調査の結果は図録3922。 (2008年2月13日収録、2023年11月21日「王者の妻」解説引用)
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