小中学校の平均学級規模の人数が日本は非常に多い点について図録3870で紹介した。そうだとすると先生1人当たりの生徒数も多いはずである。そこでここでは小中学校の教師1人当たりの生徒数の国際比較データを掲げた。

 結果は、平均学級規模はOECD第2位の大きさだったが、教師1人当たりの生徒数は小学校で15.9人、中学校で12.9人とそれほど多くはない。専門教科や補助担任などクラス担任でない先生も比較的多いせいであろう。


 上に、教師1人当たりの生徒数の平均学級規模との相関図を小学校について描いた。

 だいだい色の回帰線より下ならクラス担任以外の先生も多いことになり、上なら逆である。

 ブラジル、メキシコ、コロンビアといったラテンアメリカの途上国、あるいはロシアでは、回帰線のずっと上に位置しており、ほとんどの先生がクラス担任だという余り先生数に余裕のない状況であることが分かる。

 日本はきめ細かい生徒指導のため平均学級規模の縮小が目指されているが(図録3850参照)、そのためには単純に教師数を増やす方法もあれば、先生の事務作業、課外活動対応等を減らしたり、学校の階層秩序を見直したり、先生の能力アップを図ったりして、英国、フランス並みにクラス担任以外の教師数を減らす方法もあろう。。

 対象国は、図の並び順に、インド、メキシコ、ブラジル、ロシア、コロンビア、英国、フランス、チェコ、チリ、トルコ、スロバキア、韓国、カナダ、中国、ニュージーランド、オランダ、日本、米国、オーストラリア、アイルランド、スイス、イスラエル、ドイツ、サウジアラビア、リトアニア、スペイン、フィンランド、スウェーデン、エストニア、ベルギー、ポルトガル、オーストリア、ラトビア、デンマーク、コスタリカ、イタリア、アイスランド、スロベニア、ノルウェー、ハンガリー、ポーランド、ルクセンブルク、ギリシャの43か国である。

(2023年4月15日収録)


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