男女別の他殺死亡者の構成比を欧州について見ると、男の場合は妻・親族・知り合いが61%と多いが、他人も31%を占めているのに対して、女の場合は、夫(元夫を含む)が43%と非常に多く、他人は13%と余り多くない。 米国の場合は夫婦や夫婦同然の親しいパートナーによる他殺死亡者が男の場合は10%以下であるのに対して、女の場合は40%を超えているのが目立っている。 つまり、欧米では、男の場合は、家庭だけでなく、職場や街路など家庭外で殺されることが多いのに対して、女の場合は、家庭の中でのいさかいから殺される場合が非常に多いのだといえる。 他殺総数に占める割合ではなく実数で夫婦の違いを見てみよう。表には、欧州各国において、夫婦(事実上の夫婦を含む)の間の他殺のうち、犠牲者が夫の場合と妻の場合の数を対照させている。妻が犠牲になる割合は、国によって50%から100%と異なるが、平均して76.5%と4分の3を占めている。日本の場合は、他殺の死亡者数ではなく殺人事件の検挙件数(被害者が死亡しているとは限らない)のデータしか得られないが、妻が被害者になる割合は全体の約6割強と欧州よりは少なくなっている。 欧州各国の夫婦間他殺死亡者数(2010〜13年の最新データ)
(資料)UNECE Statistical Database, compiled from national official sources(2015.2.19ダウンロード)、日本は警察庁「平成25年の犯罪情勢」 (2015年2月21日収録)
[ 本図録と関連するコンテンツ ] |
|