データは犯罪不成立、訴訟・処罰に至らないような事件を除いた検挙件数について、被害者と被疑者との関係別に構成比をみたものである。 殺人と傷害は、親族及びその他の面識のある者に対する犯罪である比率が高い。特に殺人は5割以上が親族に対して犯されている。殺人が親族間で多くなるのは歴史的趨勢であり、これをヴェルッコの法則というらしい(ページ末コラム参照)。 一方、財産犯及び性犯罪は、面識のない者に対して犯される場合が多い。ただし、財産犯のうち恐喝、性犯罪のうち強制性交等(旧強姦)については、面識のある者に対して行われる比率が高い。 下は、殺人事件の被害者のさらに細かい内訳を示すグラフ、および殺人事件の2割弱は、親族の中でも配偶者によるものであることを示したグラフである。親族の中では配偶者(内縁を含む)が最も多く、父母と子がこれに続いている。また、一般の殺人事件が大きく減る中で配偶者間の殺人事件はそれほど減っておらず、配偶者間の殺人事件の割合は上昇傾向にあることが分る。配偶者による殺人の中では夫が加害者の場合の方が多いが、妻が加害者の割合も年によって大きく異なるが3〜4割程度である。もっとも妻による割合は、近年、増える傾向にある。 欧米の他殺における被害者と加害者との関係については図録2793cを参照。
(2008年1月28日収録、2015年2月13日更新、被害者の内訳と配偶者間の殺人事件グラフ追加、2016年8月10日コラム、2018年12月1日更新、2020年11月1日更新)
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