配偶関係別の自殺率を中年男女についてグラフにした。

 全体としての自殺率レベルは男性の方が女性の2.8倍と大きく上回っている。

 男女とも、結婚している有配偶者の自殺率は平均を下回っているが、配偶者のいない男女は未婚、死別、離別を問わず平均を大きく上回る自殺率となっているのがまず目立っている。

 配偶者のいない者について、男の場合は、未婚、死別より妻と離婚した後の離別の自殺率が高く、平均の3.4倍と高い水準を示している。

 同じく配偶者のいない者について、女の場合は、未婚者の自殺率が平均の1.8倍であるのに対して離別者が2.2倍となっている。

 中年男性の離別者の自殺率は、中年女性の離別者の自殺率の4.3倍の高率となっており、離婚がもたらす精神的なダメージには男女で非常に大きな差が認められる。

 死別者、離別者の自殺が多い理由として、日本の場合同居する夫婦・家族に人間関係の中心が片寄りすぎている点を図録2428で、また高齢者については図録1307で指摘した。

 もっとも離婚と自殺の関係については、前者が後者の要因となっている側面ばかりを強調するのは誤っているかも知れない。経済的理由や精神的理由で自殺に追い込まれるような状況では婚姻関係も同一の理由で同時に破綻してしまう可能性が高いからである。

(2007年11月2日収録、2015年10月8日更新、ただし母数の配偶関係別人口を国勢調査ベースを国民生活基礎調査ベースに変更)


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分野 社会問題・社会保障
テーマ 高齢者と家族
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