「草食男子はいつごろあらわれたか」については図録2466でふれたので、ここでは、「肉食女子はいつごろあらわれたあか」を調べてみよう。ここで草食化とは異性関係に淡白になることを指しており、肉食化はその逆である。

 肉食女子の指標としては、草食男子と同じように日本生産性本部の新入社員に対する意識調査の結果を使うとともに、もう一つ、婚姻件数に占める姉さん女房(妻が年上)の割合の推移を追った。夫婦の年齢差別の婚姻件数の推移については図録2454参照。

 草食化は、実は、男女ともに進行している変化である。草食男子の推移についてふれた図録では、基本的には、男女ともに進む草食化の動きを探っている。実は女性も草食化しているのである。

 従って、肉食女子という用語は、男性との対比で、女性の方が異性関係に積極的になってきているという相対的な状況変化を指している場合が多いという点に留意が必要である。

 ここで指標の1つとしてあげた姉さん女房婚の割合の推移を見ると、以前は10%台で比較的安定していたが、1980年代後半のバブル期から上昇をはじめ、特に、1990年代を通じて「突如」20%台にまで倍増したのが目立っている。その後は微増傾向に転じ、現在は25%を若干下回る水準で推移している。結婚の10件に1件と珍しかった妻年上婚は今や4件に1件と普通のことになっているのである。

 ここでは、姉さん女房婚を肉食女子化の指標として捉えているが、女性が年上でも構わない、あるいはその方がよいと男性の方が考えている側面からは草食男子化のあらわれと捉える事も可能である点には注意しておこう。肉食女子という言い方は上述の通り相対的な側面が強いのである。

 ここで掲げた図録が興味深いのは、もう1つの指標である新入社員の意識調査結果と肉食女子化の時期が一致している点にある。職場以外での生きがいとして異性関係をあげる女性が男性を上回るようになったのは、姉さん女房婚の割合と同じように1990年代に「突如」なのである。サンプル数の関係もあって、意識調査結果の方は毎年の変動が大きいが、目でならして頭の中で傾向線を描いてみれば、婚姻届にもとづく人口動態統計のデータの動きと、何と、ほぼ一致しているのである(男女別の割合そのものの推移は図録2466参照)。

 昭和が終わり平成に入った1990年代は「バブル残照期」とでも呼ぶべき時期であり、経済的にはバブルが崩壊したにもかかわらず精神的にはなおバブルのさなかにあった。ジュリアナ東京の狂騒は実は1991〜94年のことだったのである(図録2670参照)。この時期に、肉食女子があらわれ、戦前からの男尊女卑の気風は180度ひっくり返されたといえよう。

(2018年11月24日収録、2019年8月2日更新)


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